介護が必要になっても、あんまり使われない制度6選

福祉業界の事情

介護が必要になると介護保険を申請して、デイサービスやヘルパー、介護ベッドなどをを使って在宅での介護を使った生活が始まったり、介護保険を利用して特別養護老人ホームや老人保健施設などの介護保険施設、有料老人ホームに入居する方はたくさんいると思います。

色んなサービスや制度がある中、ほとんど使われない制度があることも事実です。そんな、使われない制度を紹介したいと思います。

家族介護慰労金制度

介護サービスを利用しないで、重度の要介護状態の方を在宅で介護しているご家族に、介護慰労金を給付する制度です。

対象者は過去1年間、次のすべてに該当している方になります。

  1. 要介護4または5の認定を受けている方
  2. 在宅で生活している方で(3カ月以上の入院期間は岐南計算に含みません)
  3. 介護サービスを利用していない方(7日以内のショートステイを除きます)
  4. 介護すり方の世帯と介護されている方の世帯の両方が、住民非課税世帯であること
  5. 申請日の段階で、介護する方(40歳以上の場合)、介護される方共に介護保険料の滞納等がないこと※自治体によって多少違いがある

これで支給金額、年間10万円がもらえます。1年間介護保険サービスを利用しないで要介護4か要介護5の人を介護するなんて、めちゃくちゃ大変です。

下手したら不適切な介護となりネグレクトになってしまい虐待になりかねません。なのでこの制度を利用している人、または利用を進めるようなことはないです。

私も10年以上この業界にいますが、いまだにこの制度を利用している人を見たことがないです。

社会福祉法人等による低所得者に対する利用者負担額軽減制度

この制度は利用者の負担を軽減する制度ですが2パターンあります。

1.利用者が生活保護受給者の場合、老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の個室代が全額無料になる。

まず、1のパターンは生活保護課のケースワーカーが適応させて、自宅で生活できなくなった高齢者を特別養護老人ホームに入居してもらっていると思うので使っていると思います。

2.介護保険の1割負担が1/4(老齢福祉年金受給者は1/2)軽減される。

問題はのパターンですが、介護保険の1割負担が1/2になる場合の老齢福祉年金受給者とは、国民年金制度ができた昭和36年当時、既に高齢であったために国民年金の受給資格を満たせない人が受給している年金です。

主に明治生まれの人が対象。令和2年だと108歳以上の人が老齢福祉年金受給者となるのでほとんど出会うことがないです。

そして介護保険の1割負担が1/4軽減されるの場合ですが対象者にも制限があります。

  • 年間収入が単身世帯で150万円、世帯員が1人増えるごとに50万円を加算した額以下であること。
  • 預貯金等の額が単身世帯で350万円、世帯員が1人増えるごとに100万円を加算した額以下であること。
  • 日常生活に供する資産以外に活用できる資産がないこと。
  • 負担能力のある親族等に扶養されていないこと。
  • 介護保険料を滞納していないこと。

この要件を満たして、市町村が生計困難と認めた人が対象になります。

しかも、この4分の1を軽減されたとしてもこの負担は事業所が負担します。なので、事業所もこの制度を利用したくないので、この制度を自治体に申請をしない事業所が結構あります。

結論として、この制度を利用するのはとてもハードルが高くしかも4分の1しか軽減されないので限りなく使われることが少ない制度となっています。

管理栄養士の居宅療養管理指導

在宅での高齢者に対して、栄養管理をしてくれます。自宅に管理栄養士の方が来てくれて食事についてのアドバイスを行ってくれるのですが、これがあまり使われないのです。

使った方がいい人はたくさんいると思います。食事が偏っていたり、フレイル(虚弱)や低栄養状態に陥らせ ないために非常に重要な課題として管理栄養士の方の話はとって意味があるものだと思います。

しかし、これを積極的に活用するまで至っていないのは、食事の把握が難しいことと、本人や家族があまりこのサービスに対して乗る気ではない人が多いからです。

自分なりに気を付けて食事をしているのだからわざわざ人に言われたくないのか、あまり重要視されていないのか、この制度を導入する人は少ないです。

他の居宅療養管理指導は使います。例えば訪問診療や訪問歯科、訪問薬剤管理指導は使うことは多いです。

訪問診療はお医者さんに来てもらって診察してもらう。訪問歯科は歯医者さんに来てもらって治療してもらう。訪問薬剤管理指導は簡単に言うと薬剤師さんに薬をもってきてもらう。という使う用途が決まっているので利用することが多いです。

しかし管理栄養士さんはわざわざ来てもらって栄養管理をしてもらうという感覚がケアマネや家族や本人にもイメージしづらいのではないかと思います。

介護度の審査請求

介護保険の申請をして、介護度に納得がいかない人はたくさんいます。この介護度に納得がいかない場合、都道府県に設置されている介護保険審査会というところに介護認定を取り消してもらうように請求することができます。

でもこれは行政機関の決定を取り消すということでハードルがとっても高く時間も3カ月ぐらいかかってしまいます。ぶっちゃけ市町村の介護保険課も審査請求をすることを進めません。

介護度に納得がいかないときは、区分変更申請を出してもう一度、介護認定をやり直すやり方をお勧めします。こちらの方が手続きも楽で再度認定が出るのが早いです。

なので現実的に介護度が納得がいかない場合の審査請求は使わない制度です。

認知症対応型通所介護(認知デイ)

認知症対応型通所介護は認知症の方を専門としたデイサービスとなります。この認知デイですが、実はあまり事業所数が少ないので利用者が少ないです。

そして単位数が通常のデイサービスに比べると1.2倍~1.3倍程度になります。しかも、普通のデイサービスでも認知症の方を受け入れてくれるところが多いので、認知症デイサービスをあえて使うことをしなくても大丈夫な現状があります。

もちろん、周辺症状が強く問題がある方を断ってしまうデイサービスもありますが、認知デイの利用を検討するより、たくさんある普通のデイサービスを検討した方が現実的に早く、費用を安く済ませることが出来ます。

また、問題行動が多い認知症の方ですと、他にも訪問介護や訪問看護、ショートステイなどのサービスを併用して使います。

少しでも単位を節約したいので単位数を多くとられる認知デイは使わないで普通のデイサービスを利用するほうが多いという現状があります。

認知症初期集中支援チーム

認知症初期集中支援チームは、2015年の新オレンジプラン(認知症瀬策推進総合戦略)に揚げられた施策の1つです。

保健師、看護師、社会福祉士、作業療法士、介護福祉士等の国家資格を持っている専門職2名以上が認知症などの専門医療の経験がある医師1名とチームになって認知症の初期対応にあたります。

本人が病院に行きたがらない場合に対象になることが多いです。家族や周りの人が体調の変化や認知症の初期症状に気づいても、本人がなかなか認めず、病院に行きたがらない場合があります。

そん時に、認知症初期集中支援チームが自宅に行き、評価や相談にのることで、医療や介護サービスに繋げていくという制度になります。

現実的には問題行動のある認知症の方でも、説得して病院に行ける人は直接家族や包括支援センターやケアマネが認知症の専門医に相談するのでこの初期集中支援チームの対象者には上がってきません。

しかも、この認知症初期集中支援チームを利用する場合はとても時間がかかります。医師や専門職が訪問するので何回も打ち合わせや日程調整があり、緊急なときにすぐに認知症の診断をしたいのですが、これには対応しきれません。

なので、この制度を使うことはあまりないのです。使う時と言えば

せっかく制度が出来たから使ってみようかな?

ぐらいの感覚で使う方が現実的なのではないかと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?国は様々な制度をたくさん用意していますが、まだまだ使い切れていない制度を紹介させていただきました。今日あげた制度が悪いという訳ではなく、私達にはまだまだ知らない制度やルールがたくさんあり、介護、医療、福祉といった制度の中でどうやったらこの制度が使えるのか?どうやったらこの制度がもう少し使い安くなっていくのか?などを考えてみても面白いかもしれません。そして、制度にとらわれることなく、福祉業界が良くなるように色々な業種の方といっしょに話し合っていくことが今後も必要になってきます。

読んでいただいてありがとうございます!!

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