福祉系の要素が入ってるサスペンス『欲』を読んで

本の話題

福祉に関わる小説を読んで、感想を書いていきたいと思います。

西川三郎先生の『 欲 』

私の評価は3.0

福祉の本と言えば感動系や仕事に役に立つソーシャルワーク的な本というイメージが多いですよね。

でも私が読んだのはサスペンスです。あんまり福祉に関係ないっす。

基本的に感動系よりサスペンスのほうが好きなんですよね(笑)

最初ということで好きな小説の分野からの紹介です。

この本の主人公、介護士なんですが、「人の役に立ちたい」とか「人々が幸せに」とか 「命に深く関わっていく仕事が好きです」。なんてこと全く思っていないです

社会福祉士及び介護福祉士は、その担当する者が個人の尊厳を保持し、自立した日常生活を営むことができるよう、常にその者の立場に立つて、誠実にその業務を行わなければならない。

社会福祉士及び介護福祉士法 第4章44条の2(誠実義務)

ていう誠実義務なんて知らんこっちゃないぜ!主人公の彩ちゃん。

武器は女としての魅力抜群、お色気むんむん35歳!!

一方、対するは友野雄吉。

末期がん!しこたま金持ってるぞエロジジー元社長 72歳

もうこんな設定なんて悪者と悪者って感じ。

雄吉は最初、末期がんで死にそうでかわいそうな部分もあったんだけど

少し元気になるとエロいわ、金持ちのくせにケチだわ、だんだん偉そうに彩ちゃんをこき使うわで大変。

こんなジジー勘弁してほしい感じになってくる。

他にも訪問介護事業所の専務だの社長だの雄吉の会社の常務だのみーーんな

悪・悪・悪・悪ーーーーー!

本のタイトル「欲」にぴったり!

まさに人間の欲望と欲望のぶつかり合い

でも読んでいて現実に突き付けられた感じがしましたよ。

現実の世界の福祉業界でも崇高な福祉の精神をもって働いている人ってそこまで多くないと思いますもん。

やっぱり生きる為に仕方なくこの仕事を選んでいるっていう人が多いです。

この本の主人公、彩ちゃんもそうでした。

離婚して、頼る身内は誰もいなく、たった一人で暮らしていました。

福祉の仕事は求人が多く仕事に就くのは簡単です。

でも賃金が安い。たくさん稼ぐには 目一杯スケジュールを組み、稼働していかなければなりません。

認知症高齢者や身体障害者、難病を患っている人の介護。とても体力的にも精神的にも疲れる仕事だと思います。

そして、自分が限界だと思ったときに

つい魔が差して悪いことをする気持ちになってしまうのかもしれません。

この小説のように

実際にあった小説「欲」のような話

実際に金持ちの一人暮らしの高齢者をたらし込むことってあるんです。

私の知っているケースでは、訪問介護士とおじいちゃんがいつのまにか結婚してしまったことがありました。

少し判断能力が低下していたので良くわからなく結婚させられちゃったんでしょう。

その後、妻となった訪問介護士ははすべての介護サービスを拒否し、自分一人でおじいちゃんの面倒を見ていきました。

私達が出入ることで自分の立場が危うくなったりしないようにするためだと思います。

もちろん行政機関に相談しました。

しかし、何も手出しはできませんでした。

お金を盗っている証拠はない。

おじいちゃんも被害届を出さないし何も言わない。

結婚した時は認知症の診断はされてない。つまり騙しているわけではない。

そして、 成年後見制度で後見人がついたとしても結婚は取り消すことはできない。

お手上げ状態でした。

明らかにお金目当てだっていうことは周りは気づいているんですけどね。

そして、このおじいちゃんが亡くなったとき

子供もいないんで財産はすべてこの介護士の物になります。

まさに完全犯罪って感じがしました。

この本で知った知識(免疫細胞療法)

がんの治療って「 手術療法」「化学(薬物)療法」「放射線療法」 の3つだけだと思っていました。

ガン末期の雄吉が最後の頼みで行った免疫細胞療法

ただの民間療法だと思っていたんですがなんと!

国立がん研究センターのホームページに載っているちゃんとした療法ではないですか!!

色々種類があって難しいですが、簡単に言うと

免疫療法(広義)は、免疫本来の力を回復させてがんを治療する方法

国立がん研究センター情報サービスHP

ということです。詳しくは国立がん研究センターのホームページ で

私はお医者さんでないのでこの治療が本当に効くのはお勧めなのかはわかりませんが

福祉の世界で長く仕事をしてきてきましたが、恥ずかしながら初めて聞く治療方法だったのでとても勉強になりました。

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エンジョイHukushi
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