一般の会社で営業職をやっていた私は無資格で福祉業界に入りました。
福祉業界はたくさんの資格があります。やはり資格がないと業務が行えないことはたくさんありました。
相談援助の資格として社会福祉士とケアマネをどっちの資格をとったほうがいいのか?という話が出ることがあります。
ずばりケアマネの資格の方が取りやすいし、簡単でお勧めです!!
しかし、もっとお勧めな資格は障害分野の相談支援専門員の資格です!!
今回は福祉系の相談員でケアマネと社会福祉士の資格のとりやすさや試験の難易度を説明してから、相談支援専門員の資格について紹介したいと思います。
ケアマネと社会福祉士の受験までの道のり違い
ケアマネも社会福祉士も受験資格というものがあります。
難関国家資格の公認会計士や司法書士といった誰でも受けられる資格ではないのです。
社会福祉士は受験資格を得るのに大学や専門学校に通わないといけません。しかもお金がそれなりに掛かります。(通信教育でも約30万円)
社会福祉士国家試験を受けるハードル高いです。
ケアマネは福祉施設で相談業務をしていれば5年の実務経験があれば国家資格もいりません。5年たてば受験資格が取れてしまうのです。
無資格で福祉業界で働いているだけでお5年たてばケアマネは受験できますのでケアマネの方が簡単に受験資格が得られます。
ケアマネと社会福祉士の試験の難易度
ケアマネと社会福祉士の試験はどっちが難しいという話が良く出ます。
一番最新の合格率は以下の通りです。
社会福祉士試験 第32回 | ケアマネ試験 第22回 | |
受験者集 | 39,629人 | 30,509人 |
合格者数 | 11,612人 | 5,644人 |
合格率 | 29.3% | 18.5% |
なんとケアマネのほうが合格率は低いです。
だったらケアマネのほうが難しいじゃん!と勘違いされますが
社会福祉士の方がお金を払って大学や専門学校で勉強している分
ちゃんと勉強している人の割合が高いです。
ケアマネは最低限の勉強をすることもなく、
実務経験だけで試験を受けられるので全く勉強していない人も中にはいます。
本年度のケアマネ試験を受験された方が私の周りに4人ほどいましたが
4人とも全く勉強してないと言っていました。
そして、見事に全員落ちて言いました。
資格試験の出題範囲
社会福祉士の出題範囲は19科目と広範囲になってます。
ケアマネは介護支援分野、保健医療サービスの知識等、福祉サービスの知識等と3つの分野になってます。
そして、社会福祉士の試験は午前と午後に分かれてて4時間で150問も解かなくてはいけないので本番もハードです。
ケアマネは60問で120分です。
保健医療と福祉サービスの知識はそこまで時間をかけなくても、実務経験レベルで点数が取れます。
ケアマネの試験で一番勉強しなければならないは介護支援分野です。この介護支援分野が25問あります。
例えば
問題11 介護保険財政について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 第1号被保険者の保険料率は、年度ごとに算定する。
2 介護保険事業の事務費は、被保険者の保険料によって賄わなければならない。
3 市町村特別給付に要する費用には、第2号被保険者の保険料も充当される。
4 市町村は、給付費増大により介護保険財政に不足が見込まれる場合には、財政安定化基金から貸付を受け取ることができる。
5 調整交付金は、各市町村の第1号被保険者の所得の分布状況等を考慮して、交付される。
介護支援専門員実務研修受講試験(第22回際試験)
答えは、4と5になります。
結構、細かいところまで出てきます。
ケアマネ試験では介護保険の財政のところは必ず毎年1問出てます。
必ず出ることころが分かっているのでこれは勉強する方としてはとても勉強しやすいです。
財政安定化基金と調整交付金は絶対に覚えておいた方がい良いです!!
時間がなければ介護支援分野を集中的に勉強する。
22回のケアマネ試験は記録的な豪雨などで各地に甚大な被害をもたらした台風19号で10月の試験が延期になしました。
そして、令和2年3月8日に実施されたのが
1都12県(東京都、千葉県、神奈川県、茨城県、栃木県、埼玉県、福島県、宮城県、岩手県、青森県、静岡県、長野県、山梨県)
私が試験を受けたのが10年前なので実際どのくらいの難易度なのか
一番最近のケアマネ試験の問題を解いてみました。
第22回3月ケアマネ試験の答えが載っているホームページ
4月21日発表に合格発表があり基準点は以下のとおりでした。
現役、包括支援センターで働いている私ですが。
結果は
介護支援分野 15点 (ギリギリ不合格ライン)
保健医療福祉サービス分野 25点(ギリギリ合格ライン)
ギリギリ不合格・・・
普段、介護保険の制度に触れることの多い事業所なので勉強していなくても
ある程度、点数を取れましたがやっぱり不合格でした。
私が今回のケアマネ試験を解いて思ったがのが
10年前と違い障害者総合支援法のことや生活保護制度のこと後期高齢者医療医療制度のことも問題になっていたので出題範囲が以前より広がっているのではないかという印象を受けました。
しかし、難しく感じたのはやはり介護支援分野。
そして、不合格ラインだったのも介護支援分野です。
つまり、時間がなければ最悪、介護支援分野だけ勉強すれば合格する可能性が出てきます!!
ケアマネの試験は、重箱の隅をつつくような問題の出し方をしてきます。
ですので勉強をしないと受かりません。
ケアマネを受験している人で受からなかったのは勉強していない人たちだけです。
ケアマネの資格は3カ月あれば合格ラインに達するのではないかと思います!
ケアマネと社会福祉士、就職に有利な方は?
就職もケアマネの方が社会福祉士よりも若干有利だと思います。
社会福祉士は行政や社会福祉協議会、病院のMSWと包括支援センターが主な就職先になります。行政と社会福祉協議会は人気が高いので就職できるのはかなりの狭き門です。児童や障害の分野でも社会福祉士の資格を活かせるところはあるのですが、社会福祉士を必須で設置義務があるのは地域包括支援センターのみとなります。
ケアマネは介護保険施設、グループホーム、有料老人ホーム、居宅介護支援事業所と設置義務がある事業所が多いので単純に就職先が多いことが有利な点で上げられます。
特に地域包括ケアシステムの推進によって歳をとっても在宅で最後まで過ごすということを国が推し進めているので今後も居宅介護支援事業所のケアマネは募集が多いと思います。
ケアマネと社会福祉士、どっちが有名?
取得の難しさから言って社会福祉士の方がケアマネの資格よりもネームバリューがあると言えます。
社会福祉士は名称独占です。
ケアマネは名称独占ではありません。
名称独占資格とは
名称独占資格とは、資格がなくてもその業務に従事する事はできるが、資格取得者のみ特定の資格名称(肩書き)を名乗ることができ、資格を所有していない者が法律に定める特定の名称を名乗ることができない資格です。また、名称独占の資格に類似したり、名称独占資格に関連している資格のように紛らわしくした名称を使用することが禁止されています。
資格の王道より引用
技術士のほか、調理師、保育士や保健師、作業療法士などの資格がこれに当たります。業務独占は名称独占も兼ねる資格も多くあります。
また、社会福祉士は国家資格なのに対してケアマネは公的資格でしかありません。
公的資格とは?
公的資格とは、国家資格と民間資格の中間に位置付けられる資格で、民間団体や公益法人が実施し文部科学省や経済産業省などの官庁や大臣が認定する資格です。
資格の王道HPから引用
民間団体の主催ですが信用度や知名度の高い資格が数多くあり、取得した資格は公的に通用し、国家試験に準ずる資格なので、一定レベルの能力があることを保証できるので就職、転職の際に有利に働きます。
しかも、ケアマネの資格が社会福祉士の資格より不利な点が
試験に合格してから実務者研修があり、87時間という長い研修と
なんと研修費が東京都の場合52,800円かかります。
そして、5年に1度更新しなければならないのです。東京都の場合54時間の研修で費用は 28,500円
社会福祉士の資格は1度登録してしまうと更新研修なんてものはないのでお金はかかりません。
障害の相談支援専門員の資格がお勧めな理由
社会福祉士とケアマネの資格について、どっちが取得しやすいかということを比較していきました。
ケアマネの方が受験がしやすく、勉強も簡単なのでケアマネの資格のほうがお勧めということでまとめてきました。
でも、最もお勧めなのが
障害分野のケアマネである相談支援専門員の資格なんです。
なんと資格試験がなくて資格が取れます!!
障害者の保健・医療・福祉・就労・教育の分野における相談支援・介護等の業務における実務経験を3年から10年(主に5年)
そして、相談支援従事者(初任者)研修を受ければ
障害の相談支援専門員になれるのです!!
しかも東京都の場合は受講費用は免除です。
資格の取得が得意でない方は、ケアマネと同じような資格が障害では実務経験と研修だけで取れるのです!!
そして、研修制度の見直しがされて、研修が以前より充実。
主任ケアマネのように主任相談支援専門員の研修制度も始まりました。
相談支援専門員の就職先は?
とうきょう福祉ナビゲーションで調べた相談支援専門員の事業所とケアマネの事業所を調べてみました。
、相談支援専門員の勤め先である特定相談支援事業所の数は少ないです。
特定相談支援事業所数は東京全体で849事業所ありました。
居宅介護支援事業所数は東京全体で3,415事業所ありました。
4倍近く、事業所数が違う結果となりました。
就職活動をする場合、ケアマネより選択肢が少ないということになります。
資格を取るまでの労力や費用はケアマネや社会福祉士より少なくて済むのですが
就職先も少ないということになっています。
まとめ
社会福祉士、ケアマネ、相談支援専門員の3つの資格の取りやすさを比べてみました。
相談支援専門員の資格が一番取りやすいだろうということでまとめさせていただきました。
ケアマネや社会福祉士の資格は相談支援専門員で働きながら取得可能になります。
もし、相談支援専門員で働いて興味があればそういった資格にチャレンジするのも面白いと思います。