感染症は、感染症とは、ウイルスや細菌などの病原体が体内に侵入して増殖し、発熱や下痢、咳等の症状がでることをいいます。感染症には、人から人にうつる伝染性の感染症のほかに、破傷風やツツガムシ病などのように人から人にはうつらず、動物や昆虫から、あるいは傷口から感染する非伝染性の感染症も含まれています。感染してもほとんど症状がでずに終わってしまうものもあれば、一度症状がでるとなかなか治りにくく、時には死に至るような感染症もあります。
三重県感染症情報センターより引用
こんなにもパンデミックを引き起こした新型コロナウイルス。このテクノロジーが発展した現在でも人間は感染症と常に戦い続けているということを改めて気づかされました。
社会福祉士国家試験で新型コロナウイルスのことが出るかわかりませんが感染症の問題は出題範囲の一つになっています。
感染症分類
社会福祉士国家試験で感染症の問題では、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)の感染症分類をざっと見ておく必要があるとあります。
一類感染症 | エボラ出血熱、クリミア・今後出血熱、南米出血熱、ペスト、マーブルグ病、ラッサ熱、痘そう |
二類感染症 | 急性灰白髄炎、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群(SARSコロナウイルスに限る)、結核、鳥インフルエンザ(H5N1であるものに限る) |
三類感染症 | 腸管出血性大腸菌感染症、コレラ、細菌性赤痢、腸チフス、パラチフス |
四類感染症 | E型肝炎、A型肝炎、黄熱、Q熱、狂犬病、炭疽、鳥インフルエンザ(鳥インフルエンザ(H5N1)を除く。)、ボツリヌス症、マラリア、野兎病等 |
五類感染症 | インフルエンザ(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く。)、ウイルス性肝炎(E型肝炎及びA型肝炎を除く。)、クリプトスポリジウム症、後天性免疫不全症候群、性器クラミジア感染症、梅毒、麻しん、メチシリン耐性黄色ブドウ球 菌感染症等 |
新型 | 新型インフルエンザ、再興型インフルエンザ |
一類感染症が最も危険度が高く、数字が増えると徐々に危険度が下がってきます。鳥インフルエンザはH5N1型だけ二類感染症になっているので注意が必要です。試験では有名な感染症は感染経路や症状が出るので確認をしておいたほうが無難です。以下にいくつかまとめてみました。
結核
これは最近でも結構やばい部類の感染症です!結核は過去の病気と思われている方がいると思いますがなんと現在でも毎年全国で約1万7千人が新たに結核を発病し、約2千人の方が亡くなっているようです!
東京都では、年間約2千人の方が新たに結核を発病し、約半数が70歳以上です。都内では20代から30代の若い世代の患者さんの割合も高く、結核は若い人にとっても注意が必要な病気なようです。
症状は咳、たん、発熱、倦怠感、体重減少、寝汗などです。空気感染が主な感染経路です。
ノロウイルス
カキやアサリなどの2枚貝を生で食べることによって感染します。人から人への二次感染もあります。私のいた福祉施設でも流行ったことがあり、1日~2日の間に次から次へと利用者や職員が下痢や嘔吐、発熱などの症状が出てきます。
嘔吐物や便からノロウイルスが出ます。アルコール消毒は効果がなく、塩素系漂白剤や加熱による対応が有効です。
腸管出血性大腸菌(O-157)の食中毒
牛レバー刺し、ハンバーグ、牛タタキ、ローストビーフ、サラダなどで、様々な食品や食材から感染します。毒素の強いベロ毒素を生産して食中毒を引き起こします。
下痢、嘔吐、腹痛、血便などがみられ、食品の加熱処理が、予防策として有効です。
アニサキス症
魚に寄生するアニサキス幼虫が人の胃壁や腸壁にもぐり込んで発症します。サバ、イワシ、カツオ、サケ、イカ、サンマ、アジなどの魚介類に寄生したアニサキス幼虫が、人の胃の酸に驚き、胃や腸を食い破ろうとするのです。
魚に寄生するアニサキス幼虫が人の胃壁や腸壁にもぐり込んで発症します。食後十数時間後から数日後に、下腹部の痛み、嘔吐、悪寒を生じます。さらにはアレルギー症状の蕁麻疹や湿疹を起こす場合があります。
アニサキスは刺激に弱く、傷がつくとすぐに死んでしまいます。その為、よく噛む事でアニサキス症を予防する事がでるのです。アニサキスは-20℃で24時間以上冷凍すると死滅します。
家庭用冷蔵庫は-18℃の場合が多いので、48時間以上冷凍しましょう。アニサキスは60℃では1分、70℃以上で瞬時に殺すことが出来ます。アニサキスが混入している可能性が高い場合は、過熱する事をオススメします。食中毒ではないので下痢はないです。
黄色ブドウ球菌
黄色ブドウ球菌は、人や動物の傷口(特に化膿しているもの)をはじめ、手指・鼻・のど・耳・皮ふなどに広く生息。健康な人の20〜30%が保菌していると言われています。
黄色ブドウ球菌はエンテロトキシンという毒素を出します。黄色ブドウ球菌のついた手指で調理をすると、食品に付着して食中毒の原因になります。
主な症状は、激しい吐き気・嘔吐・下痢・腹痛など近年では、病院内や高齢者施設等でMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)が発生しています。
MRSAは、感染に対しての抵抗力が低下している状態で発症しやすいもので、院内感染の原因となります。MRSAは、健常者は発病しないが、保菌者となってしまう可能性があります。予防としては手指の洗浄と消毒です。
疥癬(かいせん)
ヒゼンダニの皮膚内寄生を原因とする感染症であり、病院や施設で集団発生する可能性がある。症状としては、とても強いかゆみがあり、その中でもノルウェー疥癬は感染力が強く、個室での対応が必要になります。
疥癬は、皮膚への直接的な接触により感染することが主な原因であるが患者が使用した衣服や寝具からも感染することがあるので衣類や寝具の消毒等を行う必要があります。
ウイルス性肝炎
肝炎ウイルスに感染すると、食欲不振、倦怠感、黄疸などの症状が発生します。
A型肝炎 |
経口感染 (上下水道の整備されていない衛生状態の悪い地域では感染するリスクが高くなる) 予防にはワクチンが有効 |
B型肝炎 |
血液感染、母子感染 ワクチン接種により対応している。 |
C型肝炎 |
血液感染 インターフェロン注射により、抗ウイルス療法 薬物療法もある。ワクチンはない |
E型肝炎 |
経口感染 原則として急性期には入院、安静加療を要する ワクチンは、現在のところ開発されてない |
日和見感染症
日和見(ひよりみ) 感染症とは、免疫力が低下したときに発症する、さまざまな感染症や病気。健康な人であれば感染しない。
帯状疱疹(CD4=500以下)
ピリピリした痛みが体の片側に発生し、その後虫刺されのような発疹/水疱が生じます。
カポジ肉腫(CD4=500 以下)
スミレ色の腫瘍です。できやすい場所は皮膚ですが、内臓や消化管、その他全身のどこにでもできることがあります。消化管にできた場合は下血する場合があります。
ニューモシスチス肺炎(CD4=200 以下)
ニューモシスチス・イロベジー(カリニ)という真菌を原因とする肺炎の一種です。発熱や咳に加え、体を動かしたときに息切れが起こります。
カンジダ症(CD4=200 以下)
いわゆるカビの一種です。カビのような白斑が舌や頬の内側などにできます。食道・気道・皮膚にもできることがあります。特徴はティッシュなどで拭うと除去できることです。
間違えそうな注意点
注意点としては鳥インフルエンザはH5N1だけとても危険度が高いです。他のものと一緒にしてはいけないということも覚えておいて損はないと思います。
腸管出血性大腸菌(O-157)の毒素(ベロ毒素)、黄色ブドウ球菌の毒素(エンテロトキシン)この2つの毒素が入れ替えたりするのは問題として作りやすいと思います。
肝炎は肝型によって感染経路が違うので間違えやすいと思います。その辺をしっかり区別できるようになってくると感染症の問題が出ても大丈夫だと思います。
社会福祉士国家試験の問題で1分野目の人体の構造と機能及び疾病はとても範囲が広いので勉強するのに苦労すると思います。
しかし、こいった今起きている社会のことと結び付けたり日ごろの仕事の中でご利用者や患者さんの病気のことで考えることがあれば勉強時間を設けなくても仕事中に普通に勉強したことになってしまいます。
何も机に向かっている時だけが勉強時間という訳ではなくこういったブログやYouTubeなんかを見て気軽に勉強することも一つの方法だと思います。