小説『赤い指』を困難事例形式で感想を書いてみた

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東野圭吾の小説『赤い指』あっという間に読みました。面白かったです!語にグイグイ引き込まれて、次はどうなっちゃうんだーー!って読み進めることができます。

そして、最初に仲の悪い嫁と長男の母親が同居するまでの話なのですが、もう怖くなってきます。同居をすることになった経緯から、家の中が暗く陰鬱な状態になるまでの描写がとても辛い。

自分に置き換えてみて考えてしまうぐらい描写がリアルで怖い。自分も明日は我が身というか

主人公が同年代で親も高齢だし、嫁と親の仲が悪い場合の同居って本当に大変なんだと思いました。

なんでこの作品を読んだかというと、認知症の母親と嫁に挟まれる40代男の物語だからです。高齢者は同居がいいのか?または独居がいいのか?

この作品はミステリーと言いつつも、高齢社会の問題を描いています。高齢者の相談員として、事例形式でこの小説を振り返ってみます。

認知症の母親と長男家族の同居事例

3年前から母親の足が悪くなり、母親の家に長男家族が同居してくる。長男の嫁と長男のは母親は仲が悪く、そのストレスが原因かどうかわからないが、認知症の症状が進んでいる。

身の回りのことはできるので認知症での問題行動はない。

今後の支援の方向性を考えていきます。

小説『赤い指』の家族構成

昭夫を中心の家族構成図

長男:昭夫(47歳)

職業は会社員。本編の主人公。姑と嫁との仲が悪いことは知っているが、どちらにも強く言えない。自宅に安らぎの場がないと感じていて、頻繁にバーに通ってしまったことで浮気をしたこともある。

母親:政恵(70代~80代)

昭夫の母親。認知症の夫の介護をしていた。夫を看取り独居なったが、3年前から長男家族と同居。認知症場が進み、子供のような行動や言動が目立ってきた。化粧品で遊んだり、人形で遊んだりする。受け答えもきちんとした答えが返ってこない。

昭夫の妻:八重子(42歳)

家事のやり方に口を出されてから姑と仲が悪い。同居する際も自分のスタイルは変える気はないと話し、姑の面倒は一切みていない。一人息子は溺愛している。

昭夫と八重子の息子:直巳(14歳)

中学三年生。小学生の時にイジメにあって、現在は学校には通っているが、友達はいない。普段はゲームをして過ごすことが多い。親に対しては強く出る。内弁慶。幼児性愛の傾向がある。

昭夫の妹:晴美

政恵の娘で昭夫の妹。近くで洋服屋を経営している。毎日のように母親の雅恵の面倒を見に、母親宅に行っている。自分の母親と仲の悪い昭夫の嫁とも仲が悪い。母親想いで、母親は施設に行くべきではないと思っている。

小説『赤い指』支援の方向性

母親に対しての支援

まずは認知症状の進行が気になるので、認知症の専門医に受診することを勧め、きちんとした認知症の確定診断が必要になってくる。

娘の介護負担や嫁の精神的ストレスを軽減するために、介護保険の申請をしてデイサービスやショートステイの利用を検討していく。

また、母親もストレスが原因で認知症状が出ている可能性があるので精神的なケアも同時に考えていく必要がある。

家族同居という自分の居場所がないことで自宅でのアセスメントは本人の本音を聞き出せない可能性もあるので、デイサービスなどで家族と離れたときに本人の意向を聴くことも検討していく。

また、母親の本音を聞き出せる有効手段としてはやはり、毎日世話をしている娘に話を聞き、母親の認知症状がどのように進んでいったかを聞き取っていく。

母親に対しての娘はどの程度まで支援できるのか?経済的な面も含めて確認していく必要がある。

妻に対しての支援

支援者が妻に対して否定的な態度をとることはせず、日頃の家事や子育てなどをねぎらい、共感をもって接していく。

そして、信頼関係が出来上がってきた段階で、姑に対する考えを聞いていく。

姑に対しての接し方として、認知症の症状によってストレスが溜まっているのであれば、認知症に対しての理解を深めることや、ストレスのはけ口を作る必要がある。

そのため認知症カフェに参加を促し、認知症の方を介護している家族との悩みを共有してもらう場を提供していく。

息子に対しての支援

息子に対しての支援では学校の先生や学校にいるスクールソーシャルワーカーと連絡をを取っていく必要がある。

小学校でのイジメや今通っている中学校ではどのように生活しているかを支援者同士でも情報共有していく。

直接的な息子に対しての支援は児童分野の専門職に任せ、役割分担をしていき家族全体を支援者同士で連携して問題解決を図っていく。

小説『赤い指』の感想

高齢者部門の支援をしている援助者の目線で、小説『赤い指』の家族に対して振り返ってみました。

もちろんこの小説は介護がメインではないので介護職やケアマネジャーといった我々にかかわる職種は一切出てきません。

ミステリーなんで、殺人事件が起きます!そして、刑事も登場します!!なんでも加賀恭一郎というカッコイイ刑事が出てくるシリーズものですが、シリーズを知らなくても全然読めます。

推理小説のように誰が犯人か?というものではなく、自分の大好な母親。そして、自分を大切に育ててくれた母親に「どうして、こんなにつらい思いをさせてしまうんだ!」

と主人公である昭夫も悩みます。でも、昭夫は自分たちの家族の生活を守るために仕方なく、母親に酷いことをしてしまうのです。

赤い指は映画にもなっていて、東野圭吾の作品の中でもかなりランキングが高い評判のいい作品ということを読んだ後にネットで調べてわかりました。

すごく良かったです!感動しますので読んでみてください!!

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エンジョイHukushi
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