社会福祉士の勉強をしていると、低所得者に対する支援と生活保護制度の章で社会福祉主事という職員が出てきます。この職員の人達は社会福祉士なの?と疑問に思う人もたくさんいると思います。
そして、社会福祉主事任用資格というものがあります。社会福祉士国家試験の受験資格を得るのに社会福祉主事任用資格を取得している人はたくさんいます。だから
社会福祉士の方が社会福祉主事よりも上位資格なんじゃないの?
って思ってしまう人もいるのではないでしょうか。
勉強し始めだと、知らない言葉がたくさん出てきて翻弄されてしまいます。そして、たまたま知っている言葉が出てきて混乱してしまうことがあります。
そこで、頭の中を整理するために社会福祉主事関連のことを紹介していきます。
社会福祉主事とは
簡単に言うと社会福祉主事は公務員です。福祉事務所という役所の部署で働いています。
福祉事務所というのは生活保護課と考えていただければイメージが付きやすいと思います。つまり、行政の生活保護課に働いているのが社会福祉主事ということになります。
社会福祉士国家試験では生活保護課という言葉は使わずに福祉事務所という言葉を使います。
公務員は大体3年ぐらいたつと移動があります。福祉の勉強をしていない人も福祉事務所に移動になる場合もあります。そうなったときに、福祉に関しての専門的知識が必要になってきます。
福祉の勉強をしていなく事務職で公務員試験に受かった人達が、部署異動で福祉事務所に移動してきた場合は、社会福祉主事任用資格を取得して福祉事務所に配属になったりすることもあります。
社会福祉主事は社会福祉主事任用資格の取得と公務員試験の合格をもって、社会福祉主事となることが出来るのです!!
しかし、実際に行政の福祉事務所で働いている人は社会福祉士の資格を持っている人が多いです。
なので、社会福祉士を持っていて公務員試験に受かれば社会福祉主事になることができます。
つまり社会福祉士を持っていて、公務員試験を受かれば社会福祉主事任用資格を取る必要はありません。
社会福祉主事は国家資格ではなく、任用資格であり、年齢20歳以上の者で、人格が高潔で、思慮が円熟し、社会福祉の増進に熱意があり、かつ
①大学等において厚生労働大臣の指定する社会福祉に関する科目を修めて卒業した者
②厚生労働大臣の指定する養成機関または講習会の過程を終了した者
③厚生労働大臣の措定する社会福祉事業従事者試験に合格した者
④社会福祉士
⑤精神保健福祉士
⑥大学等において厚生労働大臣の指定する社会福祉に関する科目を修め、大学院への入学を認められた者
のうちから任用しなければならない
社会福祉法第19条および施行規則第1条より引用
福祉事務所
社会福祉主事が所属する福祉事務所もここで紹介しておきます。
福祉事務所は社会福祉法を根拠法としています。設置主体は都道府県や市(特別区も含む)は必ず設置しなくてはいけませんが、町村は任意設置になります。福祉事務所長は都道府県知事または市町村長の指揮監督を受けて、事務を行っています。
福祉事務所の仕事は福祉六法(「老人福祉法」、「身体障害者福祉法」、「知的障害者福祉法」、「児童福祉法」、「母子及び父子並びに寡婦福祉法」、「生活保護法」)を使って、専門的に困った人を支援していきます。
認知症を患った高齢者や事故不自由になった身体障碍者や知的障害者、児童、貧困者、低所得者などさまざまな相談にのり、生活指導や施設入所措置などをするとても専門的な部署になっているのです。
福祉事務所の専門職
福祉事務所に置かれる職員は、所長、査察指導員、現業員、事務員の4人は配置は義務です。その定数は条例で定められいます。
職員 | 要件 | 備考 |
所長 | なし | |
査察指導員(スーパーバイザー) |
社会福祉主事 |
所長の指揮監督を受けて現業員の指導を行います |
現業員(ケースワーカー) | 社会福祉主事 |
所長の指揮監督を受けて保護受給者等に生活指導等を行う。 定数(都道府県:被保護世帯数65世帯に対し1人、市町村:被保護世帯80世帯に対し1人) |
事務職員 | なし |
まとめ
社会福祉主事は国家資格ではなく任用資格です。そして福祉事務所に配置される公務員です!社会福祉士や精神保健福祉士の資格を持って公務員試験に合格して福祉事務所に配属されれば、社会福祉主事になれます!!
社会福祉士は国家資格というだけです。その資格を使って病院の相談員になったり、デイサービスの相談員になったり、障害の相談員になったり、スクールソーシャルワーカーになったり、公務員になったりと、色々な職業に就くことが出来ます。
福祉の分野では幅広く使える資格となっていますので、勉強していても損はないかと思います。
以上になります!読んでいただいてありがとうございました!!