たまたま近所の古本屋で見つけた『おれも百歳、あたしも百歳』という小説を読みました。驚きだったのは読み終わった後です。
なんと、アマゾンのレビューが1つも書き込まれていない!今までレビューを見て本を買っていたのでびっくりしました。
作家は沖田正午さん。時代劇系の小説を書いている人です。たくさんの執筆されています。あんまり有名でない作家さんのようですが、他の作品も読んでみたくなるぐらい面白かったです。
時代劇ではなく現代風というか近未来の2049年を舞台に書かれた小説で、超超高齢化社会を描いています。
主人公は99歳のおじいちゃん。でも元気バリバリ。現代で考えてみたら60歳から70歳ぐらいのエネルギーを持ったスーパーおじいちゃん。
表紙をみるとおじいちゃんとおばあちゃんがゆっくりと余生を楽しんでほのぼのした小説なのかと思いますが、私はもっとカッコイイ感じのおじいちゃんおばあちゃんの表紙のほうが良かったような気がします。
カイジの利根川です。こんな感じのダンディー風な絵でも良いと思いました。だって、よぼよぼ感が全くないんですもん。
主人公は老いらくの恋もします。小説も書いて話題の人になります。
引きこもりの孫がいて、長い間行方不明の息子も出てきたり、歳をとっても波瀾万丈なことが巻き起こります。
でも暗くしんみりとした感じの小説ではなくて、コメディー長で面白く描いていてあります。
自分的には老いらくの恋編で少しサスペンス系になったのでサスペンスをより深く描いてほしかったと思いました。ただ単にサスペンスが好きなだけかも・・・
30年後も変わらず元気に生きる:30年後の未来
この小説は今から約30年後の未来を描いています。スマホではなくて腕時計型やペンダント型にスマホがなっている設定です。
パソコンを使って主人公が小説の芥川賞みたいな文学賞に応募するのですが、30年後はパソコンでキーボードは打たないで、音声入力だろ!とツッコミを入れてしまいました。
それにしても、フリック入力が出た時はびっくりしました。最初に電車でめちゃくちゃ早くスマホを操作している若者をみて練習ました。
調べてみると最近はフリック入力だけではない『アルテローマ字入力』と『ターンフリック入力』なんてものがあるようです。極めたらフリック入力より早く打てそう。
地球温暖化のことも取り上げていて、最高気温が45度になったという設定。以前、他の記事を作成するときに40年前の平均気温を調べたら、令和の現代は5.2℃も上がっていました。ってことは30年後の最高気温は45度ってなんら不思議ではない数字。恐ろしいです。
30年後も変わらず元気に生きる:30年前のこと
1991年にMOVAという軽量化した携帯電話がNTTから出ました。
利用の初期費用は、保証金10万円と新規加入料4万5800円にレンタル料を含む毎月の回線使用料17000円が必要だったようです!NTTドコモ歴史展示スクエアHP(MOVA)に詳しくかいてあります。
結構、今と近い形になってきています。あんまり30年前って変わらないのかも・・・。
この時代はポケベルが全盛期でした。私が高校生だったころポケベルはイケてる人、今でいうとパリピの方達しか持っていなかったので、私はポケベルを使ったことがありません。
パリピたちが公衆電話にたむろして、電話機の数字をポチポチと連打してました。
今ではちゃんとスマホを持てる大人になって良かったです。
30年後も変わらず元気に生きる:人生大成期間
この本では『余命宣告』に変わる言葉として、『人生大成期間』という言葉を使うシーンがあります。
「俺の人生大成期間は半年ってか。たしかに医者に言われれば、なんだか生きる気力も湧いてくるな。余命半年よりも、ずっといい」
おれも百歳、わたしも百歳より引用
最近では本人が希望するれば、病状を隠すことなく説明してくれます。本人の意思を尊重して、がんであることを医師から告知されることがほとんどで、余命宣告も受けることが多くなってきました。
どうやら昔は違ったようです。1978年に放送された、俳優の田宮二郎が財前教授役をやっていた『白い巨塔』では、病院側や身内が全員がグルになって財前教授がガンであることを隠します。
手術の施しようもないぐらいガンが進行しているのに、手術が終わって「無事に手術は成功しました」と、最後まで病状を隠します。
財前教授はガンの専門医だから気づくのに、当時の終末期の医療に対する考えは今とは全然違うので、見ると違和感を感じます。
でも、田宮二郎の財前教授は迫力があって今見ても引き込まれますよ。それにしても田宮二郎って猟銃で自殺してしまうなんてショッキングすぎる人生。。。
そして昔のドラマは煙草を吸うシーンがやたらと多いと思っていました。
30年後も変わらず元気に生きる:世界最高齢は日本人
「おにかいにはお化けが出るってママが言ってた。」5歳になる曾孫の綺空(きそら)はそう言って母親に育てられました。
この本の主人公、任三郎は99歳。任三郎の母親が存命でなんと136歳!!
5歳になる曾孫はおばあちゃんに会ったことがほとんどなく、久々に会ったら「おばあちゃん、こわーい」と大声を出し泣かれてしまうシーンが好きです(笑)。
136歳で存命って30年後には現実になるかもしれないが、今はどうなんだろう?ということで調べてみました。
現在の世界最高齢はなんと日本人!
田中カ子(かね)さん117歳!!
明治、大正、昭和、平成、令和と5つの時代を生きてるなんて凄すぎる!!117歳でケーキをうまそうに食べているのはあっぱれです。
おれも百歳、わたしも百歳の感想
歳をとると身体の自由も効かなくなり、見た目もしわしわになって嫌だと思う人も多いと思います。
でも、この小説のような未来が待っているのなら、そんな100歳になっても楽しく過ごせるんじゃないかと思えてきます。
100歳までとは言いませんが、高齢者になっても恋や生きがいを持って過ごしていくことが出来る未来って本当にいい!!
そんな生活ができるのではないかと思わせてくれる本でした。
必ず訪れる超高齢化社会を社会問題化させてはならない!!30年後が、ずっと生きがいを求められる『不老不死』の世の中に・・・
おれも百歳、わたしも百歳より引用
以上です!読んでいただいてありがとうございました!!
コメント