介護業界で働いている人達はコロナウイルスの影響で大変な苦労をされている方も多いと思います。
医療機関の職員の方が注目されていますが、介護業界でもコロナの影響で大変なことが起きていることも事実です。
現在もコロナ禍の途中ではありますが緊急事態宣言が空けて数カ月がたった今、コロナの影響で介護業界にどんなことが起きたのかをまとめてみました。
コロナで介護業界が影響を受けたこととは?社会福祉士が解説!
慰労金のいざこざ
厚生労働省が打ち出した政策の1つに介護施設・事業所に勤務する職員に対して慰労金が出る政策があります。
新型コロナウイルスの感染発生や濃厚接触者に対応した職員に20万円を支給するものと、感染予防に努めた職員には5万円を支給するといものです。
施設内で少しでも利用者に関わるのであれば介護職員以外の事務職員や運転手なども対象になるのですが
完ぺきに隔離されているところで事務作業をしている従業員は対象にならず、慰労金をもらえないのです。
そのことで施設内で不公平感が出てしまったのです。慰労金をもらう人も申し訳なさそうにもらうという事態になっています。
また、第2種社会福祉事業の無料低額宿泊所ので働く従業員の人も慰労金が出ていません。
「福祉施設で働いている人達の全員に慰労金が支給されない」ということが問題となった出来事でした。
生活保護の人が10万円がほしい!!
生活保護の人が「10万円が欲しい!!。どうやったら10万円が手に入るんだ?!」
と言ってくる相談が増えました。生活保護を受給している人は収入があると収入申請をします。翌月は収入があった分の保護費は減らされてお金が支給されます。
しかし、今回の10万円の特別給付は収入申請の対象ではなく、そのまま10万円がまるまる自分のお金になります。
生活保護で生活している人は10万円という大金を持っていない人が多く、10万円を手にしたとたんに旅に出て行方不明になってしまう人もいました。
生活保護が打ち切られないうちに戻ってくれば良いのですが・・・
宝くじが当たって大金を手に入れた人が不幸になるという話はよくあることと聞きますが、10万円の給付金をもらって不幸になるのなら、もらわないほうが賢明ではないかと思ってしまった事案でした。
高齢者の歩行能力の低下
「高齢者が新型コロナウイルスに感染すると重症化しやすい」といということは、もはや周知の事実であります。
そんな情報が飛び交っている中で、多くの高齢者は外出を控えて自宅に籠ることが多くなっていきました。
コロナの影響で、多くの人が集まる老人福祉館での体操や脳トレ教室がすべて中止になりました。
ようやく8月になってから、予約制で人数制限をして再開されてきていますが、まだまだたくさんの人を集めて開催することはできません。
地域で集まれる体操教室なども中止になったことにより、通える場がなくなってしまい運動する機会が極端に減ってしまいました。
当然、高齢者は歩行能力が低下します。その結果、介護保険の申請をしてデイサービスに行き、運動するしかなくなってしまった人がとても多いのが現状です。
人と話す機会がなくなり鬱になる
外に出るのが怖い。コロナがうつるから人と話すことも極力避けたい。だからと言って一人でいると寂しくなる。
家族がいる高齢者の人は良いですが、一人暮らしの人は寂しくなる人が増えました。
夜にいろいろと考えてしまい鬱傾向になる人の相談が増えたのです。
自分一人で急に具合が悪くなったらどうしよう・・・。
娘も息子も遠いし誰も助けてくれない。
そうなるとここで苦しんで死んでしまうのかな・・・
なんて思ってしまうのです。
若い人でもストレスがかかった自粛期間です。
高齢者になれば精神的に弱くなるので、心の不安から食欲が減り体調を崩してしまう人も多くなってしまったのです。
コロナで失業してしまう
一緒に住んでいる家族がコロナウイルスの影響で失業していまうことがあります。
テレワークによって夫が自宅にいる時間が多くなり、DVになることもあったとニュースでやっていました。
高齢者の場合、同居している家族がコロナウイルスで失業してしまい、イライラしてしまって虐待につながることがありました。
高齢者と一緒に住んでいる家族が失業により一緒にいる時間が増えることでイライラして手をあげてしまうのです。
また、失業による将来の不安とイライラで一緒に住んでいる父親や母親に八つ当たりをしてしまいます。
高齢者虐待の対応の多くは、介護者の負担の軽減のためにデイサービスやショートステイを利用して、介護する人と介護される人の一緒にいる時間を少なくする対応を行います。
ですがコロナウイルスでの失業により、収入減が絶たれると介護費用を負担することが出来なくなります。
必然的に介護サービスを減らすことになり介護負担が増え、虐待につながるという悪循環になってしまいます。
一緒に住んでいる家族がコロナに過敏
一緒に住んでいる家族がコロナに過敏で、無理やり外に高齢者を出さないケースもありました。
どこに行くんだ?コロナだから出るな。
うつったら死んじゃうんだぞ。
と言って、自分の父親や母親に威圧的になり外に出さないようにするのです。
ひどい場合だと部屋から出ることすらままならないケースもありました。
もちろんそういった家庭の場合はヘルパーやケアマネジャーも訪問することが難しくなります。緊急事態宣言が空いて、ようやく気付くことが出来たケースになります。
部屋から出られなかったせいで身体能力が低下します。一人で出かけることが出来なくなり、楽しみにしていた友人とのお茶会にも参加できなくなります。
コロナ禍での過剰な自粛により、高齢者の場合は身体能力を以前のように戻すのにはとても時間がかかります。もしかしたら戻らない可能性もあります。
緊急事態宣言での自粛は経済の打撃だけでなく、身体的に弱い人たちにも大きな影響を与えてしまったのだと改めて感じています。
コロナのおかげで良くなった高齢者の例
逆にコロナのおかげで介入できるケースもありました。ゴミ屋敷でゴキブリがたくさんいる家のおばあちゃんは長い間
できることは自分でしたいのよ!
と言ってすべての支援を拒否していました。
あの手この手で介入を試みますがすべて拒否されていました。
家に入ることは出来ずに玄関先での対応(それでもゴキブリはたくさんいました😫)
しかし!!コロナウイルスの流行のおかげで、自分で買い物に行くことに抵抗が出たようです。
さすがに、食べ物が買いに行けないと生きていけません。
ようやく介護保険を利用しヘルパーで買い物支援をすることができました。
苦節8年かかりました。コロナがなかったらきっとまだ、援助が入っていなく家の中はゴキブリだらけだったと思います。
介護業界で働く人は今でも自粛をしています
4月~5月にかけては大騒ぎしていたコロナウイルスもなんだか少し慣れてしまったのか
それとも対応がわかってきたのか
最近ではコロナに感染しても大事件にならなくなってきた印象が強いです。
いくつかのデイサービスや特別養護老人ホームでコロナウイルスが発生した情報もありましたが
最近ではコロナが発生してもあまり重大事件になっていない印象です。
しかし、高齢者に接する仕事をしている介護業界で働く私達はこれからも、暫くは飲み会や旅行に行かないように自主的に自粛しているのです!!!
私的には早く飲み会したいです!!早く通常通りに戻って、愚痴なんかを仕事仲間と話せる日が来ることを祈っています!!
以上になります!読んでいただいてありがとうございました!!