こんにちは。地域包括支援センターの管理者をしているたっつん(.@enjoywelfare)と申します。
今回は高齢者虐待についての記事にです。
地域包括支援センターは高齢者虐待の相談窓口で通報先になっています。そして積極的に関わっていく機関になります。
虐待は身体的、精神的、社会的、経済的要因が絡み合って起こり複雑です。
支援する側はかなりの重圧がかかります。時には心が病みます。
そんな難しい支援である高齢者虐待で地域包括支援センター職員が感じている本音を紹介します。
高齢者虐待で地域包括支援センター職員が感じている本音
担当する時の本音
虐待通報が入ると地域包括支援センター内はピリッとした空気に変わります。
虐待は担当したくない。。。
怖い、責任感、緊張と様々な負の感情が沸き上がります。
ぶっちゃけ地域包括支援センター内で虐待対応の押し付け合いが始まることもあります。
管理者である私は部下に虐待対応の事例を担当するようにお願いします。でも露骨に嫌な顔をされたり、あーだこーだと口答えする職員もいます。
「社会福祉士の自分が動く案件ではないと思います。」とか「成年後見制度が関わってくるので看護師じゃなくて社会福祉士が担当したほうが良いのでは?」
うるせーー!!俺が管理者なんだから黙って言うこと聞けや!!
なーんて言えるはずもなく、頼みやすい職員にお願いするか、管理者である自分が担当するという現状が度々起こります。
私の地域包括支援センターでは忙しい人は常に忙しく、暇な人は常に暇という状態になってしまうのです。つまり職員一人一人の仕事の負担にバラツキが出ています。(すべての地域包括支援センターがこんな状態ではないのでご安心ください。)
これは管理職の能力不足と言っても良いでしょう。
とにかく虐待対応は物凄くプレッシャーのかかる仕事なので若い職員や経験の浅い職員にはとても難しい支援だと言えるでしょう。
安全を確認する時の本音
私の働いている地区では高齢者虐待に関する通報等を受けたときは、原則48時間以内に高齢者の安全の確認その他の事実確認をすることになっています。週末や連休前に虐待通報があると休みを出勤に変えたり夕方の遅い時間に確認に行くこともあります。
48時間以内に確認することも結構ハードルが高いですが、それよりもハードルが高いのが一緒に住んでいる家族から怪しまれないように事実確認をすることです。
会ったこともない地域包括支援センターの職員がいきなり自宅に来たら、家族が虐待していることを隠す可能性があります。だから怪しまれないように訪問する必要があるのです。
デイサービスやショートステイを使っていれば虐待者(虐待する人)がいない所で本人の状態を確認するのは容易です。
しかし介護保険のサービスを使わず虐待者(虐待する人)と同居し、自宅から出る機会がない被虐待者(虐待される人)の安全を確認することが非常に難しいのです。
虐待者(虐待する人)やっぱり暴力的なイメージがあるので怖いです。最初の訪問はとっても緊張します。
正直言うと訪問したくないです。
信頼関係を築く時の本音
高齢者の虐待対応は虐待者(虐待する人)と信頼関係を築いていく必要があります。そして虐待者(虐待する人)と信頼関係を築きつつ、虐待の事実確認や証拠を集めます。
とても難易度の高いケースワークになるのです。
対応を間違え虐待者(虐待する人)から包括職員が恨まれたり苦情になると虐待を助長してしまう可能性があります。
包括支援センター職員の苦情をきっかけにすべての福祉サービスを拒否されると、被虐待者(虐待される人)の状況がつかめず危険性が高くなります。
「相談して失敗した」と言われないように細心の注意を払いながら支援しているということです。
気を張り過ぎて胃が痛くなります。
最後に
最近では警察の関与もあり、子供が親に暴力を振るうと逮捕されるケースもあります。子供が逮捕されて虐待が終結するってなんだか切ないです。
虐待対応をしていると悲しいことや辛いことが起きることもあります。
支援者は不安やプレッシャー、自分の不甲斐なさに悩みながら虐待対応にあたっています。
虐待対応している支援者の方が今回の記事を読んで少しでも気持ちに余裕が出たら嬉しいです。
今日もお仕事がんばろう。