社会福祉士国家試験で社会保障の科目では年金制度がメインになっています。年金制度は複雑で難しいです。
それに比べて労災保険は社会保障の科目では一番範囲が狭く始めやすいです。覚えやすいのは、なんといっても労災保険なのです!
難しい社会保障の科目の中では労災保険からとっかかりを付け、徐々に難しい年金制度や社会保障の歴史、雇用保険などを覚えていくことがポイントです。
1時間で覚えられる労災保険:労働者災害補償保険制度
労働者災害補償保険制度の適用は通勤途中や仕事中にケガや病気になり、障害が残ったり、死亡した場合に保険給付されます。
保険者 | 政府(厚生労働省) |
適用事業所 | 労働者を1人でも雇っている事業主はすべて加入 |
適用労働者 | パートやアルバイト、正社員といった雇用形態を問わず全て労働保険法の対象 |
保険料 | 厚生労働大臣が定めていて、業種によって危険度が違うため、異なる保険料率が定められています。全額事業主か負担します。労働者の負担はなし。労災保険率表はこちら |
公務員は、国家公務員災害補償法や地方公務災害補償法というものがあり、労災保険法の適用はされません。
1時間で覚えられる労災保険:労災の種類と内容
労災保険の種類では療養(補償)給付、休業(補償)給付、傷病(補償)年金、障害(補償)年金、障害(補償)一時金、介護(補償)給付金、遺族(補償)年金、二次健康診断等給付と7つを覚えておけば十分です!
業務災害だと○○補償給付という名前で
通勤災害だと〇〇給付という名前です。補償が抜けます。
療養(補償)給付
労働災害や通勤災害で病気や怪我で、労働保険指定医療機関で療養する場合に治療費や治療に付随する費用が保険給付されます。指定医療機関以外でも償還払いで給付されます。
休業(補償)給付
労働災害や通勤災害の療養のために働くことが出来ない労働者の生活保障として休業(補償)給付が支給されます。
休業(補償)給付の支給が開始されるまでの最初の3日間は「待機期間」といい、この期間は事業主が労働基準法第76条の規定により、休業補償をします。
労働者が賃金を受けない日の第4日目以降も、業務上の傷病の療養のために労働することができない場合は、労働基準監督署から休業(補償)給付が受けられます。
傷病(補償)年金
労働災害や通勤災害で1年6ヵ月経過しても治ゆせずに、障害の程度が傷病等級1~3級に該当している場合に支給されます。
障害等級ではなくて傷病等級です!!
障害(補償)年金
傷病は治ゆしたが、障害者等級1~7級に該当する障害が残った場合は障害(補償)年金が支給されます。
障害(補償)年金も年金という名前ですが年金保険からの給付ではないので障害基礎年金や障害厚生年金と一緒に給付を受けることが可能です。その場合は障害補償年金が減額されます。
障害(補償)一時金
病気やケガが治ゆしたが、障害等級8~14級に該当する障害が残った場合は障害(補償)一時金が支給されます。障害が軽い人が受け取るお金というイメージです。障害が重い人は障害(補償)年金を受け取ります。
介護(補償)給付金
傷病(補償)年金や障害(補償)年金の受給権者で介護が必要な場合に支給されます。
平成31年4月1日より介護(補償)給付の最高限度額(月額)と最低保証額(月額)が引き上げられています。
遺族(補償)年金
労働者が業務上で亡くなり、年金を受け取れる遺族がいるときは、遺族(補償)年金が支給されます。
遺族(補償)年金が受け取れる遺族は、亡くなった労働者が生計を維持していた「配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹」です。
妻以外の遺族は、亡くなった労働者の死亡時に一定の高齢かまたは年少であるか、一定の障害の状態にあることが必要です。
これも年金という名前ですが、年金保険からの給付ではありません。
遺族(補償)一時金
労働者が業務上で亡くなった場合に、年金を受け取れる遺族がいない場合は、遺族(補償)一時金が支給されます。
例:亡くなった労働者と生計を維持されていなかった遺族、妻以外の遺族で高齢や年少や障害がない状態の時。
葬祭を行う場合は、葬祭を行う者に葬祭料が支給されます。
二次健康診断等給付
一次健康診断で、過労死などに関連する検査項目のすべてに異常があった場合に、労働者の請求に基づき、二次健康診断や特定保健指導が受けられます。
過労死などに関連する検査項目は血圧測定、血中脂質検査、血糖検査、腹囲またはBMIです。
1時間で覚えられる労災保険:まとめ
保険給付 | 状 況 | 内 容 |
療養(補償)給付 | 傷病を治療する場合 | 治るまで医療費等が支給される |
休業(補償)給付 | 休業する場合 | 労働できない期間が4回以上続く場合に支給される |
傷病(補償)年金 | 傷病を治療したが治ゆしない場合 | 1年6ヵ月経過しても治ゆしなく、傷病等級1~3級にが該当する場合 |
障害(補償)年金 | 障害が残り重度障害の場合 | 治ゆして、障害等級1~7級までの障害が残った時 |
障害(補償)一時金 | 障害が残り軽度障害の場合 | 治ゆして、障害等級8~14までの障害が残った時 |
介護(補償)年金 |
介護が必要な場合 | 介護を要する場合 |
遺族(補償)年金 | 死亡した場合 | 年金を受け取る遺族がいる場合 |
遺族(補償)一時金 | 年金を受け取る遺族がいない場合 | |
二次健康診断等給付 | 健康診断で異常が見つかった場合 | 過労死などに関連する検査項目のすべてに異常があった場合 |
以上になります!読んでいただいてありがとうございました!!