高齢者を支援する仕事を10年以上続けているたっつん(@enjoywelfare)です。
今回は障害や児童などの福祉分野よりも高齢分野が「働きやすい」「魅力的」と思ったことを紹介したいと思います。
福祉の世界で働きたいと思っている人や、すでに福祉の世界で働いていて、高齢分野に興味のある人は、今回の記事を読んで職場を決める際に参考にしていただけると幸いです。
福祉の世界では身体障害者、精神障害者、知的障害者、児童、高齢者、低所得者、子育て支援などのたくさんの福祉分野の仕事があります。
障害や病気に関係なく年齢が65歳以上になると高齢者という枠組になり高齢者支援の対象になります。多くの場合は介護保険の対象となり高齢分野で働く人たちが支援をしていくことになります。
国の社会保険の一つである介護保険制度の使い勝手の良いところも合わせて紹介していきます。
福祉業界の中で高齢分野の仕事が「魅力的で働きやすい」理由とは?
高齢者はやさしい
子育てや家事に奮闘している主婦。朝から晩まで仕事をしているサラリーマン。バリバリの会社経営者などの若い世代の人は毎日がとても忙しいです。
そういった人達を相手にしている仕事の人に比べたら、おじいちゃんおばあちゃんを相手にしている高齢分野の仕事は働きやすいです。
何故かというと、おばあちゃんおじいちゃんは仕事や子育ても終えて、残りの余生をゆっくりと過ごしている人が多く、圧倒的に穏やかな人が多いからです。
自宅に訪問すると、こちらから問いかけなくても進んで話しかけてくれます。
暑いところ来てくれてご苦労様
若い人が来てくれてうれしいわ
と嬉しそうに、訪問しただけで何もしていないのにねぎらいの言葉をかけてくれます。
そして長年してきた仕事のことや病気のことを積極的に話してくれる人が多いです。
一人で暮らされているおじいちゃんおばあちゃんは普段、誰かと話をする機会が少ないので話好きの人が多いです。2時間ぐらいしゃべりっぱなしの人もいます。
支援者は次の仕事の予定が入っています。話を終わらせなくてはいけません。
しかし話を終わらせるスキがないくらいに話し続けられることも結構あります。話を聞いてるだけで感謝されることもたくさんあるのです。
来るな!と言って拒否されることは殆どありません。
たまに、「おじいちゃんおばあかんに好かれるからこの仕事を選びました。」と言っている人がいますが、それは間違いです。
おじいちゃんおばあちゃんは、多くの人を優しく迎えてくれます。自分が好かれていると勘違いしてしまうのでしょう。
家族からの苦情が少ない
高齢分野の家族は児童や障害者の家族よりも要求が高くありません。すべての家族がそういう訳ではなないですが、多少の怪我や病気をしても
歳だから仕方がない
と思うことが多く、苦情が少ない傾向にあります。
特別養護老人ホームに入居できた家族の心境
特別養護老人ホームに入居できた利用者の家族の場合、あまり文句を言えない心境になることもあります。
施設の人に嫌われて、退去させられたらどうしよう?
という思考に陥ってしまう家族も多いからです。希望者が多い特別養護老人ホームにせっかく入居できたのに、退去させられたら大変だと思ってしまうのです。
なお、実際は施設側の人間に嫌われて退去させれるということはありえません。
将来の期待が少ない
高齢分野は将来に対する希望が他の福祉分野よりも少ないです。利用者に対する期待が少ないので家族から求められる要求も低いということになります。
例えば高齢者がリハビリをして今の現状よりも身体能力が改善すればとても良いことです。しかし現状を維持するだけでも大変な高齢者にとって、そう簡単に劇的な改善は見込めません。
現状維持で十分だと思っている家族が多いのが現状です。
もちろん場合によっては転倒事故で骨折してしまったり、薬を間違えて飲ませてしまって家族に訴えられるケースも当然あります。
家族がお金目当てだけではなく、自分の親族のことが大切で悔しい想いから福祉施設を訴えるということもありますので、もちろん支援は真剣に行わなくてはいけないのは高齢分野でも一緒です。
介護保険は使いやすい
高齢者の介護サービスのほとんどは介護保険を使い提供されています。介護保険サービスの導入はケアマネジャーが家族や本人の意向に沿って開始できます。
なので、他の分野に比べてサービスを導入させることが容易にできます。
ヘルパーを早急に利用することも可能
早急にヘルパーを利用する場合、介護保険を申請してしまえば、結果が出なくても場合によっては介護保険を申請した次の日から利用できてしまうことも可能なのです。(ケアプランの作成や事業所との契約、担当者会議などがあるので現実的には難しいですが・・・)。
緊急的な場合ならば、あっという間にサービスが導入できてしまうことは介護保険のメリットであります。
色んな人が介護保険の申請ができる
また、介護保険の申請が出来る人の幅が広いです。介護保険の申請は基本的には本人や家族です。
しかし、家族がいない場合には民生委員や成年後見人、地域包括支援センター、居宅介護支援事業者や介護保険施設、病院の相談員、場合によっては友人や知人でも介護保険の申請をすることができます。
支援者が多い
令和元年10月の65歳以上の高齢化率は全国で28.1%。高齢者人口は3,588万人になっています。
超高齢化社会になっている日本では2000年に介護保険制度が施行されて20年という月日が経ちました。
高齢者人口が増えていることから、高齢者支援を仕事としている人数が児童や障害者などの他の福祉分野よりも圧倒的に多いです。
当然ながら介護保険サービスの事業所数が多く、利用者がサービスを選定する場合もたくさんの選択肢があります。
事業所同士の競争もあり、良い意味で切磋琢磨されて独自のサービスがあり、さまざまなニーズに対応できるようになっています。
最近ではスポーツジムのようなデイサービスで運動を提供したり、カジノのようなデイサービスで脳トレを行っているところがあり、工夫を凝らした事業所が増えてきています。
そして、事業所がたくさんあることから、たくさんの支援者と繋がりを持つことができます。
福祉業界は女性の多い職場です。男性の場合は女性との接点が多くなるため、出会いが多く職場関係で結婚する人も多いことも魅力の一つです。
恋愛以外でも仕事上での繋がりできます。転職をする時も知り合いから誘われて職場を変える人も多いため、働く場所がなくて困ってしまうことはほぼ無くなります。
筆者も現在の地域包括支援センターで働くことが出来たのは、仕事をしていて誘われた経緯があります。⇒自己紹介ページ。誘われて包括支援センターで働いた。
高齢分野の仕事が「魅力的で働きやすい」理由:まとめ
- 高齢者はやさしい⇒忙しくなく余生を暮らしていて穏やかな人が多い。
- 家族からの苦情が少ない⇒高齢者に対して将来に対する期待が少ないので支援者に対する要求が低い
- 介護保険が使いやすい⇒サービスを導入する時には他の福祉分野よりも申請しやすく手続きも簡単
- 支援者が多い⇒超高齢化社会のため、高齢者を支援する人数も多い。男性の場合、出会いも多い
福祉業界の中で高齢分野の仕事が「魅力的で働きやすい」理由を以上の4点でまとめてみました。
以上になります!読んでいただいてありがとうございました!!
高齢者の支援をしていると、40代でも「若いねぇ~」と言ってもらえることも、魅力の一つかもしれません。そりゃー相手は80代、90代ですから。40代なんてまだまだひよっこです(笑)