心理学理論と心理的支援の分野で感覚・知覚といったところが社会福祉士の国家試験では出題範囲です。
まず感覚とは、物理的な刺激に対しての情報を受け取るものです。感覚のうち五感とは、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、皮膚感覚のことを言います。
五感以外にも、平衡感覚、運動感覚、内臓感覚があります。
話がずれましたが感覚には刺激強度というものがあります。
最小の刺激強度を刺激閾(しげきいき)
最大の刺激強度を刺激項(しげきこう)
適した刺激を適刺激(てきしげき)。適刺激は目から光を受け取ったり、耳から音を受け取ったりする適している刺激です。専門用語で難しいです。
そして、知覚というものがあります。知覚とは外から入ってきた状況や刺激を感覚器官よって得られた情報をもとに、身体内部に意味づけをする働きのことをいいます。わかりずらいですが、この知覚のうち80%は視覚からの情報になっています。
今回は知覚の種類がいくつかあり、それが社会福祉士の国家試験に出るのでそれをわかりやすく紹介したいと思います。
社会福祉士国家試験の知覚機能の覚え方
社会福祉士国家試験:知覚の体制化
知覚の体制化は無秩序に存在しているものを関連付けて、一つのまとまりのあるものへと作り上げる働きのことです。
例:『図と地の分離』というものがあります。1つのまとまりのある形として認識される部分を「図」、図の周囲にある背景を「地」と呼び、図と地の分離によって初めて形を知覚するのです。それがルビンの杯(さかずき)です!
大きな背景に小さい形があると、それを人間は形として認識するということです。黒い影を注目して見ると人の顔に見えますが、白い部分に注目してみると杯に見えます。
社会福祉士国家試験:選択的注意
選択的注意は多くの刺激の中から、選んで特定の刺激に注意を向ける働きのことです。
例:カクテルパーティー効果というものがあります。がやがやしてても特定の人の声に注意を向けるとその人の声が聞こえてきます。飲み屋で会話が出来るというのもカクテルパーティー効果です。
視覚でもカクテルパーティー効果があります。YouTubeでありました。
これは所見では気づかないです。クマのぬいぐるみがムーンウォークしてます。クマに注意を向けると見えてきます。
社会福祉士国家試験:知覚の恒常性
知覚の恒常性は物理的な刺激の変化があるにも関わらず、そのものが一定のものとして知覚される働きのことです。
大きさの恒常性
大きさの恒常性は遠くに人がいたとしたら眼に映っている映像は小さいですけど、小さいと認識しないで、人の大きさに認識します。これが大きさの恒常性です。
形の恒常性
コーヒーカップを斜めから見ると楕円径です。真上から見ると円になってます。でも人間は同じ形と認識します。これが形の恒常性です。
社会福祉士国家試験:錯視
視覚における知覚のづれによって、同じものが違って見える働きのことです。俗に「目の錯覚」とも呼ばれています。
長さや大きさが同じに見える錯視を円環対比と言います。月が地面に近いと大きく見えるのも錯視です。
社会福祉士国家試験:仮現運動
仮現運動は運動錯視の一つ。連続的に静止画を見ることによって、動いているように見える動きのことです。例:パラパラ漫画、映画など
鉄拳のパラパラ漫画の『約束』です。言葉は一切ないけど、号泣です!!
社会福祉士国家試験:知覚の順応
同じ刺激が続くと、次第に慣れてくる働きのことです。暗い部屋で、徐々に暗くされて慣れてくるのが暗順応。暗闇から明るい場所に出たときに徐々に明るさに慣れてくるのが明順応がある。
社会福祉士国家試験:社会的知覚
社会的知覚は自分の育った要因や社会的な要因などで同じものでも違って知覚される働きのことです。
簡単な例だと欧米では犬の鳴き声は『バウ!バウ!』ですが日本だと『ワン!ワン!』です。
もう一つ例として『硬貨と円板』の実験というものがあります。裕福な家庭環境の子供は硬貨と同じぐらいの円を描きますが、貧しい家庭環境の子供は実際の硬貨よりも大きく円を描きます。
裕福な子供が描く円 貧しい子供が描く円
貧しい家庭の子供はお金に対する欲求が高いので、大きく円を描くようです。
硬貨と円板の実験
硬貨と円板の実験では硬貨を見せて同じ大きさの円を描くように子供を使って実験した。
30人の子供のうち10人はただの円板、20人には硬貨を見せて実験をした。円板を見せたあとで同じ大きさの円を描くグループでは、ほぼ全員が同じ大きさに書いた。
硬貨を見せたあとで同じ大きさの円を描くグループでは10人の裕福な子供ほぼ同じ大きさの円を描いた。あと10人は貧しい家庭の子供は硬貨より大きな円を描いた。
これは、知覚する者にとって社会的な要因によって、同じものも違って知覚されるということが分かった。知覚者にとって社会的に価値がある対象物は,知覚的に強調され、またその対象物への欲求が大きいほど強調も大きいということになった。
社会福祉士国家試験:まとめ
感覚:五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、皮膚感覚)と五感以外(平衡感覚、運動感覚、内臓感覚)がある。
刺激の種類 | 刺激の内容 |
刺激閾 (しげきいき) |
最小の刺激 (感じる最小の刺激) |
刺激頂 (しげきちょう) |
最大の刺激 (感じる最大の刺激) |
適刺激 (てきしげき) |
適応した刺激 (目に光、耳に音) |
知覚の機能 | 内容や例 |
知覚の体制化 | 図と地の分離 ルビンの杯 |
選択的注意 | カクテルパーティー効果 |
知覚の恒常性 | 大きさの恒常性 形の恒常性 |
錯視 | 円環対比 月の錯視 |
仮現運動 | パラパラ漫画 映画 |
知覚の順応 |
暗順応(暗いところに慣れる) 明順応(明るいところに慣れる) |
社会的知覚 | 硬貨と円板 |
社会福祉士の勉強で、色々とわかりずらい言葉をネットで調べながら勉強してたので、それをまとめた感じの記事になりました。
以上になります!読んでいただいてありがとうございました!!
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