貯金を残して死ぬのはもったいない『 DIE WITH ZERO ゼロで死ね!』の感想

本の話題

社会福祉士で主任ケアマネジャーのたっつん(.@enjoywelfare)です。

突然ですが、たくさんの貯金を残して死にたくないですよね?

「認知症の人の保有する金融資産額は、2030年に215兆円に達し、個人金融資産の1割に達するとの試算もある。」とも言われています。

ほとんどの人は老後を不安なく暮らすために貯金をしています。そして多くの貯金を残し亡くなってしまう場合があります。

今回は貯金を多く残さずに生きる為の本『 DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール 』 を解説していきたいと思います。

老後の話がメインと思いきや、実は20代~30代の若いうちに読んどけ本なのです。

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『DIE WITH ZERO(ダイウィズゼロ)ゼロで死ね! 』の感想

私は地域包括支援センターの職員で高齢者の相談に乗る仕事をしています。相談者の中には相続人がいない場合もあります。そして亡くなってしまい、何千万円もの貯蓄が国に返還されたことがありました。

本当にもったいないと思います。もったいないお化けが1万体ぐらい出ます。

※令和はもったいないばあさんらしいです。

もったいないお化けや、もったいないばあさんが来ないように、 『 DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール 』 を読んで豊かな人生を過ごす必要があります。

なぜ多額の資産を残したまま死んでしまうのか?

歳をとってくるとお金を好きに使うという行為自体が出来ません。体力も気力も低下している中で「お金を使って何かをしたい」「何かを買いたい」という欲求がなくなってきます。

そもそも高齢者は生活費、医療費、介護費以外はほとんどお金を使いません。他のお金の使い道と言えば、孫にお金をあげるぐらいです。

そして年金から貯金しつづけ、使い切ることなく亡くなってしまうのです。

どうして年金をもらっても貯蓄するのか?それは貯蓄が増えていくことに安心を感じるからです。

老後になって貯蓄を切り崩しながら贅沢な生活をしても、せっかく老後のために貯めておいたお金がどんどん減ってことが切なくて寂しい気持ちになるのです。

だから80歳を過ぎてもお金を貯め続けてしまい、多くの資産を持ったまま死んでしまうのです。

「貯蓄で安心する」から「人生を豊かに過ごす」というマインドに変えていくと無駄に多くの資産を持ったまま死んでしまうことを防ぐことができるのです。

人生を豊かにするポイント

やりたいことを我慢して、お金を貯め続ける人生だと「私の人生って何だったの?」ってなるとおもいませんか?

あなたの人生は1度切り。老後のために貯金をしておこうという考えだけにとらわれて生きてきたんでは、人生は楽しくありません。

だからといって老後のことも考えず湯水のようにお金を使うことを推奨する本ではありません。

DIE WITH ZERO ゼロで死ね!』では有り余る資産を残して死んでしまうのは良くないといっています。

若いうちからきちんとした目的を持たずになんとなく老後のための貯金としている感覚だと、資産を多く残して死んでしまうことが起こってしまいます。

将来的に使い切れないのほどの多くの資産を持ったまま亡くならないためには、若いうちから人生を豊かにするという意識を持つことが大切です。

私がこの本を読んで、無駄な貯蓄を残さずに豊かな人生を送るためのポイントは3つあると考えました。

ポイント1(タイムリミットは若いうちからある)

『DIE WITH ZERO ゼロで死ね!』では 時間は有限でありタイムリミットは若いうちからあるといっています。つまりお金を使うことを我慢して貴重な時間を無駄にしてはいけないのです。

優先順位はやりたいことや貴重な経験。お金はそのために使うことが人生を豊かにしてくれます。若い時にすべき体験を自由な時間やお金がある定年退職後に体験しても、若い時と同じような楽しみ方や感動は出来できないということです。

私は早起きする必要のない定年退職後に夜通し過去の名作ゲームをやりまくるという夢があります。でもこの本を読んだら結局、過去の名作は幼かった自分だから味わえた興奮や感動があったからで、歳をとってからでは味わえないと思いました。

スペランカーをノーミスで3週クリアした自分に酔ったころには戻れない・・・

ファイナルファンタジー2の初めてゲームで体験した震えるような感動を今は味わえない・・・

考えてみたら歳をとってからゲームするのって目が悪くてやる気にならないだろうよ・・・

ポイント2(健康はお金よりも価値が高い)

『DIE WITH ZERO ゼロで死ね!』 では健康はお金よりも絶対的に価値が高いといっています。

やっぱり健康が一番大事です。幸せと健康はセットです。そして歳をとっても健康的に過ごす為には、若いうちから健康に対しての意識を高く持つ必要があります。

医療費は病気の治療に使うより、健康を保つための予防に使う方がはるかに懸命だ。

DIE WITH ZEROより引用

予防のために若いうちから高くても健康的な食事を食べたり、スポーツジムやパーソナルトレーナーなどで運動する機会を設ける方が良いのです。

運動は何もお金をかけなくても出来てしまいます。ランニングやウォーキングなんて靴を買うぐらいです。家の中で腕立てや腹筋だって立派な運動です。

若いうちに運動する習慣を身に着けることで、歳をとってからも健康体になる可能性が高くなります。歳をとっても健康ならば旅行や山登りなどの趣味が出来ます。

逆に有り余る資産があっても健康でなければ、自由に使うことが出来ないし、使う気も起きないでしょう。

だからお金よりも健康が大切なのは明白です。若い時から健康意識を高く持つことは人生を楽しく過ごすための必須条件と言っても良いでしょう。

ポイント3(資産を減らす年齢を決める)

『DIE WITH ZERO ゼロで死ね!』 では45歳~60歳の間で資産を取り崩し始めようといっています。日本で年金がもらえる65歳から資産をに手を付けるのではもう遅いです。

間違っても資産をゼロに使い切ることは絶対に無理です。それは自分の寿命は正確には分からないからです。

そこで 『DIE WITH ZERO ゼロで死ね!』 ではファイナルカウントダウンという寿命が分かるアプリを勧めています。ファイナルカウントダウンは英語でわからなかったので、私は寿命診断というアプリで自分の寿命を診断してみました。

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10の質問なので信憑性には疑問ですが、私の寿命は84歳でした。現在43歳なので残り40年。では実際にどれぐらい資産を残しておけばよいのか。

死ぬまでに必要な金=1年間の生活費×人生の残りの年数×0.7のようです。

私の1年間の生活費が月に20万円として年間240万円。なんと6720万円の貯金が必要となります・・・

こんなに貯金できねーよ!!

60歳まで働いて貯金を切り崩すとして4032万円。つまり私レベルの収入ではとうてい貯蓄を切り崩す生活はできないという事実が分かりました。とほほ・・・

アメリカと日本の違い

『DIE WITH ZERO ゼロで死ね! 』の著者はアメリカ人です。

私は高齢者支援をしていて、財産を多く持ったまま死んでしまうことはもったいないと思っています。つまり 『DIE WITH ZERO ゼロで死ね!』 に書かれていることは基本的に賛同でき、私もお金をあまり残さずに楽しく過ごしていきたいと思っているのです。

しかし、現在の日本で高齢者支援しているとアメリカと違いを大きく感じることがあったので紹介したます。

日本では給料があまり上がらない

『DIE WITH ZERO ゼロで死ね! 』 では若い時はお金を使い貴重な経験をしたほうが良いと推奨しています。歳をとっていくと収入が上がるので若いうちから無理に出費を我慢する必要がないといっています。

確かに同じ経験でも若い時にするのと高齢期にするのでは同じ感動を得ることは出来ないと思います。旅行や趣味でも若いうちの方が身体も動くし感受性も強く貴重な経験は出来ると思います。

しかし現代の日本では一般的な社会人ではそこまで給料はアップしません。

給料も上がらないのに税金が右肩上がりで増えていく日本の現状では「若いうちには経験のためにお金を使う」という考えは当てはまらず、超高齢化社会が待っている日本で「若いうちから老後のための貯蓄が必要」という考えを覆すのが難しいのではないかと思います。

アメリカと日本の社会保険制度が違う

『DIE WITH ZERO ゼロで死ね! 』 では民間の保険会社で医療保険、介護保険、個人年金を契約して老後に備えるようにと進めています。

幸いアメリカと違って国民皆保険制度の日本では個人的に民間の保険会社に医療保険や介護保険を加入しなくても一般的な治療や介護が受けることが出来ます。そして年金制度もあります。

老後の最低限の生活はアメリカよりも保証されているかもしれません。しかし老後に貰う年金額は下がっていく見通しです。

これで若いうちからお金は使ったほうが良いという考えに至るには相当の勇気がいると思います。

子供に財産を渡して失敗する場合がある

・ 『DIE WITH ZERO ゼロで死ね! 』 では子供に財産を渡すのは早い方が良いといっています。しかし財産を子供に早く渡してしまうと功を奏さない場合があります。

なぜなら一度に財産を渡してしまうと子供は親に寄り付かないことがあるからです。

子供達も自分の生活が忙しくて実の親でも介護が必要になった場合は疎ましく思うことがあります。そうなると自然と親から距離を置くようになります。「1年に1回しか顔を見に来ない」なんてこともあるのです。

私は財産のある人はお金をこまめに子供に渡す方がベストだと考えています。

面倒を見たらお金を渡す。顔を見に来てくれたらお金を渡す。そして感謝の言葉を残す。お金を渡しても「いつもありがとう」と言う。介護というのはお金とねぎらいの言葉が大切になってくるのです。

高齢者になってもプライドが高く、子供と上手く暮らせない人は結局、施設に追いやられたり「早く死んじゃえ!」という罵声を浴びせられることがあるのです。

この記事のまとめ

総合的に判断すると 『DIE WITH ZERO ゼロで死ね! 』 経済的に余裕のある人や将来的に収入が増えていく20代~30代の人が読むとより今後の人生が豊かになる本だと思いました。

しかし40代過ぎてた低収入な私でも人生を豊かにする為に以下のことに気づきました。

・プチ贅沢するマインドになった。
・やっぱり健康第一だと改めて思った。
・定年退職後にゲームをやりまくる夢は諦める。
・もったいないお化け懐かしい。

今回は以上でーす。

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