高齢者の引越しの注意点と手続の支援。包括支援センター管理者が解説

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地域包括支援センターで管理者をしているたっつん(.@enjoywelfare)と申します。

長年住んでいるところが立ち退きに合ったり、古いマンションが取り壊しになったりと高齢者になっても引っ越しを余儀なくされるケースがあります。

「まだ老人ホームには入りたくない!」「老人ホームに入るお金はない!」と言った理由で80歳を過ぎても賃貸物件に引っ越しをする場合があるのです。

そして、一人暮らしで身寄りがいない場合や、家族がいても疎遠で引越しを手伝ってもらえない場合があります。

はっきり言って80歳を過ぎた高齢者が自分自身で引越しの手続きを進めることはとても難しいです。

今回は私が実際に関わった事例を元に80歳を過ぎた高齢者が賃貸マンションに引越す場合の注意点と引越しの支援方法を紹介いたします。

高齢者の引越しの注意点と手続の支援。包括支援センター管理者が解説

高齢者が引越す場合の注意点

賃貸物件は保険に入る必要がある

高齢者が新しく物件を借りる場合はほとんどが連帯保証人がいても保険に加入しないと賃貸物件は貸してくません。やはり高齢者ですと急に自宅で亡くなる方もいます。したがって保険の中に、特殊清掃費用と遺品整理費用が入っています。

特殊清掃費用:借用住宅内における被保険者の死亡により、汚損等の損害が生じた場合の清掃
遺品整理費用:被保険者の死亡により賃貸借契約が終了する場合の遺品整理費用

金額は物件によっても違うと思いますが、私が関わった事例では家賃が65,000円程度のところで約20,000円でした。保証期間は2年です。

歩行の負担が掛からない物件を選ぶ

高齢者にとっての階段はかなりの負担になります。引越すときは、まだ階段の昇り降りができたとしても1年たって階段が登れなくなってしまって、また引っ越す羽目になったら元も子もありません。

したがって高齢者が引越す場合はエレベーターがついているところか、1階の部屋でなければいけないということです。不動産屋も気にして2階から上の部屋はエレベーターがなければ勧めてきません。

オートロックの物件は避ける

高齢者は騙されたりする場合が多いのでセキュリティーが高い物件の方が安全です。しかし、認知症が進んでくるとオートロックを自分で開けられなくなります。

そこまで認知症が進んでいなくても、暗唱番号を押して入るタイプのマンションに住むとなったら高齢者にとっては至難の業です。つまりオートロックの賃貸物件はなるべく避けたほうが無難です。

オートロックのカギが開けられないと、ヘルパーなどのサービス事業者が訪問しても開けることが出来ずに利用できなくなります。

事業所によってはカギを預かってくれるところもありますが、なるべくなら高齢者が引越す場合はオートロックのついている物件は避けたほうが良いでしょう。

家賃の支払いは引き落としにする

家賃の支払いはなるべく引き落としが出来るところが望ましいです。引越すと今まで住み慣れた場所とは違く慣れていないため、銀行や郵便局に行くことが困難になります。

近くにあれば良いですが距離があった場合は行くことができません。高齢者の場合、通帳と印鑑で直接窓口でお金をおろす人が多いです。

キャッシュカードを使わないのでコンビニなどでお金を引き出すことができません。ですから銀行や郵便局に直接行く必要があるのです。

そのため家賃は銀行振り込みではなく、引き落としで対応してくれるところが望ましいです。

銀行引き落としで対応してくれないところは、不動産屋が家賃を取り来てくれるところがあります。そういった街の小さな不動産屋でしたら引き落としではなくても大丈夫だと思います。

面倒見の良い電気屋があると良い

電球1個でも取り付けに来てくれる電気屋さんは高齢者にとって強い味方です。何しろ高齢者は新しい家電製品の設置もできないし、使い方もわかりません。

家電製品でのトラブルがあったらすぐに対応してくれる電気屋さんがいるとても助かります。ヘルパーも家電製品の使い方や設置では介護保険の算定ができません。

結局ケアマネが無料サービスで行ったりすることもあるのです。家電製品って使えなかったらそれこそ生活が立ち行かなくなるので、ほっとくわけにもいきませんしね。

夏なんてエアコンが使えなかったら下手したら熱中症で死んでしまいます。

高齢者の引越し手続き支援

家族でも親族でもない赤の他人がどのような手続きが出来るのかをまとめました。

ライフライン(水道・ガス・電気)の手続き方法

水道、ガス、電気は第三者がネットで契約できます。電気は東京電力(TEPCO)、ガスはライフバルで契約可能です。

ライフバルでも電気をやっていますが、電気メーターのメーター番号がわからないとネットで契約できないようです。東京電力はメーター番号がわからなくてもネットで契約できるので手間はかかりません。

ライフラインの開通の立ち合いはガスのみ(固定電話も立ち合いが必要)です。立ち合いは本人ではなく第三者で大丈夫です。

水道と電気はネットで手続して引越し日を記入すればその日から使えます。入力が間違っているとなかなか通じないので、なるべく早くネットで手続しましょう。

口座引き落としに変更する場合はネットで手続できますが、支払い用紙にかかれているお客様番号が必要になってきます。

水道と電気は1回目の支払い用紙が届いてからお客様番号を確認して手続きを進めましょう。ガスの場合はガス開通の立ち合いの時に引き落とし用紙がもらえます。

電話の手続き方法

携帯電話ではなく固定電話での手続き方法を紹介します。今回はNTTで契約しました。電話は本人確認の必要がありNTTに電話をして本人に直接電話を代わり意思確認が必要になってきます。

NTTへ電話番号は0120-116-116です。NTTの電話口の人に「手続きを〇〇さん(第三者の名前)にお任せします。」と言ってもらいます。そうすると手続きを第三者が変わって説明を受けることが出来ます。

その後、本人の写真、身分証明書をメールで添付してNTTに送信します。メールの確認が取れれば手続きができる仕組みとなっています。

今時、固定電話なんて契約したことがないのでこんなに手続きが面倒なのは知らなかったです。

参考までにNTTの固定電話の費用を掲載しておきます。

普通の回線:工事費が12,000円。契約料が800円。月額が1,950円。
光電話の回線:工事費が3,000円。契約料が800円。月額が2,950円。

たくさん固定電話に電話をするのであれば通話料が安くなる光電話がお得です。

高齢者の引越しプラン

高齢者は自分で荷物をまとめたり、家財道具を新しい家に持っていくことはできません。大けがをしてしまう可能性もありますし動きが遅いので時間がかかりすぎてしまいます。

しかし、いくら何でも引越し自体を私たちのような相談員が手伝うことはできません。なので基本的に引越し業者に頼みます。

プランは梱包をして、新しい住処に物を持っていき設置までしてくれるお任せコースが良いです。

もちろん料金は割高ですが、安全と手間を考えると高齢者の場合はすべてお任せコース一択になります。今回、私の関わった事例ではサカイ引越センターのらくらくAコースを利用しました。

もちろん荷物の量や引越し先の距離などで費用は全く違ってくると思います。参考までの今回のお任せプランの費用は23万円でした。

引越しお任せコース23万円だった条件(参考)

・引越し先は1kmで近い
・引越し先はエレベーターがついている。
・荷物は2トントラックショート。
・洗濯機は約5万円。

尚、相見積もりをしていないので引っ越し費用が高いのか低いのかは不明です。そして不動産屋に引っ越しのパンフレットがあり不動産屋の名前を言えば半額になると言われたので電話で半額にしてほしいと伝えました。しかし、この23万円が半額の値段かどうかは不明です。

住所変更の手続き

同じ市区町村の場合は転出届や転入届は必要なく、住所変更を市役所へ届け出るだけで住所変更はできます。

本人と一緒に市役所に行って届け出を書いて医療保険証と介護保険証を見せれば住所変更の手続き完了です。写真のついた住基カードやマイナンバーカードがあれば身分証明書は1枚で事足ります。

郵便局への転居届は用紙を郵便局でもらい記入して、後でポストに投函してもよいし、その場で郵便局に提出しても良いです。もちろん第三者が記入可能です。

高齢者の引越しの注意点と手続支援のまとめ

高齢者の引越しの注意点

・保険に入らないと物件が借りられない
・1階の部屋かエレベーターがついている物件を選ぶ。
・オートロックの物件は避ける。
・家賃は引き落としが出来る物件が良い。
・面倒見の良い電気屋があると良い。

高齢者の引越し手続き支援

・ライフライン(水道・ガス・電気)は第三者がネットで手続できる。
・固定電話の手続きは本人確認が必要。
・引越しはラクラクなお任せプランを選ぶ。
・同じ市区町村に引越す場合は手続きめっちゃ楽。

若い人でも大変なのに高齢になって望まない引越しを余儀なくされてしまうケースが実際にあります。

高齢者の引越し支援をすることがあったら、是非とも今回の記事を参考していただきたいと思います。

以上になります!読んでいただいてありがとうございました!!

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