トラブル回避!80歳以上で加入できる生命保険の注意点と予防策

福祉業界の事情

高齢者支援では詐欺被害に遭ってしまった人に会います。

先日も特殊詐欺で合計650万円ものお金を盗られてしまった80代の女性に出会いました。昨年に300万円、今年は350万円を銀行から不正に引き出されてしまったのです。

なんと昨年に詐欺を働いた犯人は捕まり、今年は違う犯人に騙されたのです。

きっと騙しやすい人のリストが裏で出回っているでしょう。1人暮らしや高齢者世帯で住んでいる方たちは本当に気を付けないといけません。

高齢者の消費者被害は詐欺師のような犯罪者だけでなく合法的にお金を狙っている人達も存在します。

その一つが80歳を過ぎても加入できる生命保険です。特に身寄りのいない天涯孤独の人が加入できる生命保険になります。簡単に言うと保険の受取人がいない生命保険の契約です。

今回は実際にあった高齢者でも加入できる生命保険で、注意する保険内容や予防策をご紹介します。

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高齢者の生命保険で注意する保険内容

80歳を過ぎても生命保険に加入を考えているのであれば、ご自身が必要な保険内容かどうか確認していく必要があります。

実際の保険内容を例にまとめてみました。

病気・怪我による手術(入院)の保険

内容➡病気・怪我による手術(入院)1回につき10万円、20万円、50万円と増えていく

80歳を超えた高齢者が何回も手術をする確率は非常に低いです。高齢者の場合、心臓病や糖尿病など他の病気を患っていることがほとんどです。

他の病気があると医師からも手術をするリスクが高いことの説明があり、手術以外の治療法を勧められる場合が多くあります。

今後の治療については主治医と相談してから保険の内容を確かめていきましょう。

病気・怪我による手術(外来) の保険

内容➡病気・怪我による手術(外来)1回につき5万円 

高齢者の外来による手術は白内障の手術や巻き爪の手術が多く、他にはあまり遭遇したことがありません。

それ以外の病気で手術をする場合でも多くの場合、後期高齢者医療保険が適応される手術なので高額な医療費はかかりません。

つまり高い保険料を毎月払う方が損をする可能性が高いです。外来による手術内容を確認して保険内容を見直すことも必要です。

病気・怪我による放射線治療の保険

内容 病気・怪我による放射線治療 1回につき20万円 

医療保険に加入していれば放射線治療を行う場合は高額療養費制度が適応されるため収入が少ない高齢者は還付請求をすることで、上限を超えた分のお金が戻ってきます。つまり1回20万円もお金はいりません。

高額療養費制度を利用される皆さまへ(厚生労働省の資料)

ご自身が放射線治療を希望の有無もポイントになります。

骨髄幹細胞の採取手術の保険 

内容➡骨髄幹細胞の採取手術1回につき10万円 

10年以上、介護業界で働いていますが高齢になって 骨髄幹細胞の採取手術をした人に出会ったことがありません。

全くないといは言い切れませんが、80歳を超えた人が骨髄幹細胞の採取手術をする可能性はすごく低いと思います。

先進医療による療養の保険

内容➡ 先進医療による療養 先進医療一時給付金 2000万円

2000万円という破格の金額!!でも、高齢になって先進医療を希望する人は皆無に等しいです。延命治療すら希望しません。「早くお迎えが来てほしい」とさえ口にします。

高齢になり先進医療を希望する人は、たぶん相当なお金持ちで少しでも長生きをしたい人だと思います。そういう人は保険に入らなくても2000万円なんて用意できますよね。

詐欺や生命保険トラブルを予防するアイテム

筆者は在宅高齢者の支援をする中で振り込め詐欺防止の自動通話録音装置を何件も取り付けました。

自動通話録音装置を付けたことによって保険会社からの勧誘や怪しい電話は確実に減っていきます。

高齢者世帯には絶対に取り付けたほうが良い商品となってます。値段も1万円前後と決して高くありません。

しかも、振り込め詐欺防止の自動通話録音装置は多くの市町村や警察署で高齢者に貸し出す事業を行っています。是非、お近くの役所や警察署に問い合わせてみてください。

最後に

認知症を発症していなくても高齢になると判断能力が低下し保険契約のような難しいことはできなくなります。

そんな状況を知ってか知らずか、本人のニーズに合っていない高額な保険の契約してしまうことは良いことではありません

しかも天涯孤独で保険の受取人が本人しかいない状況で、本人が意識不明の重体になったら誰が保険請求の手続きをするのか疑問です。

お客様のことを思って保険に加入させるのであれば、万が一の時に保険を請求できる人を見つけるか、後見人のような人に契約に立ち会ってもらい保険に加入してもらう方が良いと個人的には思います。

80歳を過ぎた高齢者のことを思って保険を加入させるのであれば先進医療の特約なんていならいし、2000万円もの高額の特約はいりません。放射線治療や骨髄幹細胞の採取手術の特約も本人が治療に対してどう思っているかを確認するべきです。

特約を確認して月額の保険料を見直しましょう。

今回は以上でーす。

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