介護保険の制度の基本的な考えで以下のような項目があります。
自ら要介護状態となることを予防するため、加齢に伴って生じる心身の変化を自覚して、常に健康の健康増進に努めると共に、要介護状態になった場合においても進んでリハビリテーションその他の適切な保健医療サービスおよび福祉サービスの利用することにより、その有する能力の維持向上に努めるものとする。
介護保険法 第4条(国民の努力及び義務)
介護保険のサービスは利用者自身もリハビリテーションなどに取り組み、自分の身体能力の維持、向上に努めなくていけないということです。
そして、介護保険のサービスの中で訪問系のリハビリテーションのサービスあ2つあります。
1.訪問看護ステーションからリハビリ専門職が自宅に訪問するサービス
2.訪問リハビリテーション事業所からリハビリ専門職が自宅に訪問するサービス
この2つのサービスは実は内容は一緒です。
何が違うかというとサービス導入の際の手続きが違います。
はっきり言うと訪問看護ステーションでリハビリを導入する方が手続きが簡単で使いやすいです。
訪問看護と訪問リハビリテーション事業所とのリハビリの違いや導入方法について説明していきたいと思います。
訪問看護と訪問リハビリの違い
訪問看護と訪問リハビリについてそれぞれの違いをまとめてみました。
定義について
訪問看護の定義
訪問看護は、法第8条第4講において、「居宅要介護者(主治医がその治療の必要の程度につき厚生労働省で定める基準に適合していると認めたものに限る)について、その者の居宅において看護師その他厚生労働省で定める者により行われる療養上の世話または必要な診療の補助をいう」と定義されています。
すなわち、訪問看護が必要と医師が認めた在宅の要介護者を対象に、看護師、保健師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの専門職によって提供される看護やリハビリテーションが主なものです。
訪問リハビリテーションの定義
訪問リハビリテーションは、法第8条第5項において「居宅要介護者(主治医がその治療の必要の程度につき厚生労働省令で定める気jひゅんに適合していると認めたものに限る)について、その者のきょたくにおいて、その心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるために行われる理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーション」と定義されています。
医学的管理下で理学療法士、作業療法士または言語聴覚士が要介護者の居宅へ訪問し、可能な限り居宅で能力に応じ自立した生活が営むことができるよう、生活機能の維持もしくは向上を図ることを目的として実施する介護サービスです。
訪問看護も訪問リハビリ事業所どちらも理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が在宅に訪問してリハビリできることが書いてあります。
サービスの内容
訪問看護からのリハビリ内容
訪問看護ステーションからのリハビリテーションは理学療法士、作業療法士、言語聴覚士による訪問が看護業務の一環としてリハビリテーションを中心としたものである場合に、看護職員の代わりに訪問させるという位置づけのもので、相互の連携のもとで、同行訪問をし、リハビリテーションのアセスメントに基づき統一した目標が決められます。訪問看護師が訪問時にリハビリテーションを行うことが、リハビリテーションの継続につながります。また、訪問看護師が行う入浴介助や排せつ介助、歩行介助などの生活支援そのものが、残存能力の活用というしてっから、リハビリテーションになっています。
訪問リハビリテーションの内容
立ち上がりや歩行などの基本動作の訓練、関節を動かすなど、関節の変形拘縮や筋力低下の予防・改善、トイレ動作や入浴動作、着替えなどADLの訓練、食事の飲み込み改善の訓練や食事内容の指導、寝返りなどの体位変換・解除方法の指導、手すりや車いすなど、福祉用具・住宅改修の提案と指導
特徴的に1.廃用症候群の予防と改善、基本動作能力の維持・回復、日常生活動作(ADL)の維持・回復、手段的日常生活動作(IADL)の維持・回復、対人・社会交流の維持・拡大、介護負担の軽減、訪問介護事業所への自立支援技術の助言指導、福祉用具利用・住宅改修に関する助言・指導
訪問看護の方は看護師との連携と看護師ががリハビリを行う場合もあることが記載されていて、訪問リハビリテーションの方はより具体的にリハビリの内容が記載されています。
サービス導入の流れ
訪問看護も訪問リハビリも医療系のサービスなので
医師の指示書があって初めてサービスを導入できます。
しかし、手順の違いがあります。表にまとめました。
訪問リハビリテーションのリハビリ導入のほうが手続きが多いです。
違いは訪問看護でのリハビリ導入は利用者の主治医から直接、指示書をもらって開始できますが
訪問リハビリテーションではリハビリ導入をするときに訪問リハビリテーションが併設している病院に一度、受診をして検査をしないとならないんです!!
これは利用者、ケアマネにとってもとても手間となります。
初めから訪問リハビリテーションを使っている病院が主治医なら良いですが、その病院でないと2つの病院に受診して確認を取らなければならなくなってしまうのです。
なぜこのようなことが起こるかというと訪問看護と訪問リハビリの設置基準に違いがあるからです。
訪問看護と訪問リハビリの設置基準の違い
訪問看護の設置基準と職種
職種 | 資格要件・配置基準等 | |
指定訪問看護ステーション | 病院または診療所 | |
管理者 | 原則として保健師または看護師(常勤) | ━ |
看護職員(保健師・看護師・准看護師) | 常勤換算で2.5人以上(1人は常勤) | 適当数 |
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士 | 指定訪問看護ステーションの実情に応じた適当数 | ━ |
訪問看護は病院や診療所以外に看護師や保健師がいれば指定訪問看護ステーションというのを開設できます。
訪問リハビリテーションの設置基準と職種
職種 | 資格要件・配置基準等 |
医師 | 常勤で1人以上 |
理学療法士 作業療法士 言語聴覚士 |
1人以上(常勤、非常勤等の定めなし) |
しかし、訪問リハビリテーション事業所は医師が1人以上いないとダメなのです。
つまり、訪問リハビリテーションが提供できる事業所は、医師がいる(病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院)しかできないんです。
こういった制度の違いから、訪問看護でのリハビリテーションのほうが導入しやすいということになっています。
最近の訪問系のリハビリ事業所の傾向
最近は訪問看護でのリハビリステーションという形でリハビリを中心とした訪問看護の事業所が多くなっています。
理学療法士や作業療法士の方々が病院で経験を積み、在宅で自分で独立する場合に訪問リハビリテーションの事業所を自分達だけでは開設できなく看護師を管理者において訪問リハビリテーション事業所のような訪問看護事業所が増えています。
介護保険制度が改正されて、訪問リハビリテーション事業所が理学療法士や作業療法士の方々で開設できれば、もっと地域にリハビリというものが普及していくのではないかと思っています。
以上です!読んでいただいてありがとうございました!!
コメント
彼にとも会って➞加齢に伴って
ご指摘ありがとうございます(笑)